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「本物を創る」という理念に共感してくれる人たちに集まってほしい日本特殊光学樹脂株式会社 代表取締役 佐藤 公一

最後の大会に負けたショックで受験に失敗

聞き手:佐藤様のこれまでのご経歴についてお教えください。

佐藤:先ほど申し上げたように,弊社は1974年の創業ですが,私が生まれたのが1976年でした。幼いころから父が家にいる時には仕事の話を聞かされていました。そうした中で自然とこの会社を継ぐのだろうなと思いながら,ずっと育ってきました。ですから光学というよりはものづくり,そのなかでも金型を加工する機械加工や金属加工に関心がありました。それであれば機械工学,機械加工だろうと考えて理工学部を目指しました。
 ただ,小学生からずっと野球をやっていたのですが,高校野球の最後の大会に負けて,そのショックで高校三年の夏を漫然と過ごしてしまい,その年の大学入試は,すべて落ちました(笑)。その結果をみて慌てた父が,翌年のために家庭教師を付けると言うのを拒否しながら予備校で1年浪人して,必死に勉強をして,早稲田大学の機械工学科に入りました。
 研究室では炭素CFRPやGFRPといった複合材料を扱っていました。そこでは破壊試験を夜な夜な行うといったような基礎研究を結構地道にやっていました。面白い部分もありましたが,将来的に会社を経営することを考えて,大学4年のときに経営工学の講義を受けたところ,非常に興味を覚えました。
 その後,大学院に進むかどうかを考えた時,基礎研究をこのまま続けていくのではなく,経営工学を学びたい。さらにこれからは英語も必要になるだろうという思いもあって,海外の大学で経営工学とものづくりを学ぼうと考えたのです。調べるとイギリスのノッティンガム大学のOperations Management and Manufacturing Systemsというぴったりな学科がありました。そこは経営工学といわれるMBA的な内容と,人間工学や品質管理,ロボティクスといった内容が有機的に混じりながら研究,勉強をすることができるコースでした。しかも,イギリスの大学院では1年で修士を取れるのです。野球にかまけて浪人した1年,まあ半年の入学時期のずれはあるのですが,それを取り戻せるかなということも考えてイギリスへの留学を決めました。
 留学の準備や修士号取得の過程で英語はもちろん身に付きましたし,ものづくりの基礎的なところだけではなく,いろいろな工場の環境や,品質管理など幅広く学べたことは今の仕事をする上での基礎になっていると考えています。
 修士論文では弊社の品質管理をテーマに挙げました。イギリスでは日本の品質管理は素晴らしいと非常に興味を持たれていたのですが,講義で話題になるのは大きな企業ばかりで町工場の実情は,私の担当教授もほとんど知りませんでした。そこで,私がITに興味があったこともあり,町工場の品質管理の現状をITのツールを使い,簡略化したり,数値化したりすることでどのように改善につなげられるか,というテーマで論文を書きました。

日本特殊光学樹が製作した200インチのフレネルレンズ



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佐藤公一

佐藤公一

●佐藤公一(さとう・こういち)さまのご経歴
1976年 東京都生まれ 2000年 早稲田大学理工学部機械工学科卒 2001年 英国ノティンガム大学 Operations Management & Manufacturing Systems修士 2001年 伊藤忠テクノサイエンス(現:伊藤忠テクノソリューションズ)入社 ネットワークソリューション,セキュリティ,ワイヤレスネットワークなどの設計構築,取り扱いプロダクト担当 2004年 KDDI Europe Ltd.入社 ネットワークコンサルタント 金融機関のネットワークマネジメント,セキュリティシステム構築 2006年 日本特殊光学樹脂入社 技術営業部 2012年 同社 代表取締役就任 現在に至る
●主な活動歴
2016年 板橋次世代経営者会議 会長
●日本特殊光学樹脂株式会社について
日本特殊光学樹脂株式会社は,高品質,高精度プラスチックレンズの総合メーカー。「本物を創る」を社訓にフレネルレンズ,リニアフレネルレンズ,レンチキュラーレンズ,フライアイレンズ,レンズアレイ,非球面レンズなどを金型から製品まで,一貫生産で提供している。URL:http://www.ntkj.co.jp/

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