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「パーソナルブランドを磨こう!」シグマ光機(株) 代表取締役社長 森 昤二

「全球競争の時代」を生き抜くための戦略

聞き手:「全球競争の時代」を生き抜くための戦略を社内に徹底するスローガンをいろいろ考案されていると聞きました。

:世界の競合企業と伍(ご)して,業績を伸ばして行かなければならない時代となっているので,企業の4大機能である営業,開発,生産,経営管理のバランスを図り,全社員が向かう方向を明確化し,能力の底上げをしていかなければなりません。そのために,社員にはことあるごとに「パーソナルブランドを磨け!」というスローガンを発信しています。
 これからは,ますます大変な時代になっていきます。メーカーも,品質や価格,納期に加えて,レスポンスやサービスというビジネス上の付加価値と,さらに環境保護や社会貢献などのグローバルな視点での「新たな価値」を提供して,初めて顧客に満足してもらえる時代となっています。そして,モノであれヒトであれ,同じように常に「新たな価値」が求められていると考えています。そのような社会のニーズに応えるために,会社は「カンパニーブランド」を磨き,それを支える社員個人は「パーソナルブランド」という発想で「自分の売りや特技,特徴を磨き上げなければならない」というメッセージをこのスローガンに込めています。
 また,最近作ったスローガンでは,「シグマ光機,知ってる? 使ってる!」というものがあります。この意味するところは,顧客からシグマ光機の製品を「知ってるよ」と言われるだけではなく,「使ってるよ」と言っていただけるようになろうということです。知名度だけではダメということですね。メーカーの使命は,生み出した製品を顧客に使ってもらうことにある,ということの再認識なのです。
 シグマ光機は創立以来,真摯にレーザ応用技術の高度化と光産業の成長を支えてきました。同時に,竹やぶから始まった小さな町工場をこれまで支えてくださったすべての人々には,心から感謝しています。だからこれからも,「光産業を支えていく」という使命と自信を持って「ものづくり力(りょく)」を向上させ,いつか当社の品質・価格・納期・サービスが「グローバルスタンダード」となって,世界中で「使ってるよ!」と言ってもらえるようにしたいというのが,将来の大きな目標です。

聞き手:最後に森社長のパーソナルブランドをお聞きしたいのですが。

:「シグマ光機の語り部」と「オプティクスハンター」を名乗っています。会社創立から現在までの歴史や文化,技術という財産を後進に伝承していくと同時に,光先端技術の動向を今後もウオッチして,「ものづくり力」の向上に生かしたいと考えています。

聞き手:創業の経緯から現在までの発展のご様子,大変興味深いお話でした。本日はお忙しい中,ありがとうございました。
森 昤二(もり・りょうじ)

森 昤二(もり・りょうじ)

1968年に名古屋大学 大学院工学研究科修士課程を修了。同年,セントラル硝子(株)に入社。松阪工場のフロート板ガラス生産ラインに配属。1972年に同社を退職して,兄の森基氏が経営する(株)日本量子光学研究所に入社。1973年にモリトクを起業。1977年にシグマ光機を森基氏,杉山茂樹氏とともに設立し,取締役に就任。1989年に同社 専務取締役。1993年,同社の海外子会社である上海西格瑪光机有限公司の董事長総経理(2006年まで)。1999年,同じく海外子会社のオプトシグマコーポレーションのCEO(2003年まで)。2006年に同社 代表取締役社長に就任し,現在に至る。

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