【重要】技術情報誌『O plus E』休刊のお知らせ

絶え間ない努力をして 本当に自分がやりたいことをやり続けるメキシコ光学会(AMO)会長 CIO(光学研究所)教授 Dr. アマリア・マルチネス・グラーシア

自然現象の答えが知りたくて物理を学ぶ

聞き手:光学分野に進まれたきっかけを教えください。

アマリア:小さいころから虹や雲といった自然現象を観察することが好きでした。また,ビー玉を覗いたときに見える,像が反転したイメージに興味を覚えたりしていました。小さかった私には,その現象が起こる理由がわかりませんでした。その答えが知りたいと思い物理を学びはじめ,光学分野に進みました。それと数学も好きです。歴史は抽象的ですが,数学は歴史などと違い答えがきっちりと出ますし,私たちの日常生活の中に応用することもできるのが好きなのです。例えば,物を測定するときはもちろん,物を作り出すときにも,さまざまな要因を考えなければいけません。そのすべてを表現できるのが数学だと思っています。


聞き手:アマリア先生の研究分野についてお教えください。

アマリア:私は光計測の研究をしています。物体の三次元計測です。植物の葉や果物の表皮の詳細な情報を収集したり,生体試料をより詳しく計測したりすることができます。今回,平成27年度宇都宮大学CDI招聘外国人研究者としてお招きいただきましたが,この講演も格子パターン投影法とスペックル法を用いた三次元計測に関するものです。この研究は他の分野や産業に役立つと考えています。ですから私たちは積極的に医学など他の分野の人とも仕事をするべきだと思っています。例えば医学の分野では,事故に遭った人が失ってしまった身体の部分を複製するために活用できますし,その他の産業では車の部品などを計測して複製することなども考えられます。  私たちは,マヤ文明の遺跡から発掘されたパカル王のマスクを複製するプロジェクトに関わっています。パカル王は古代マヤ文明の王様で,その遺体はヒスイの仮面をまとっていました。それを傷つけることなく複製することができます。もっとも,模写する許可をもらうのが大変ですけど。

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Dr. Amalia Martínez García (あまりあ・まるちねす・ぐらーしあ)

Dr. Amalia Martínez García (あまりあ・まるちねす・ぐらーしあ)

メキシコ・モンテレーのUANL(ヌエボ・レオン大学)において自然科学学部の物理学の学士号を取得。メキシコ科学研究・高等教育センター(CICESE)にて応用物理学の修士号を取得。メキシコのレオン市にある光学研究センター(CIO)で光学の博士号を取得。その後,CICESEの研究者を経て,CIOの教授,国家研究者システム(SNI)のメンバーを務める。SPIEとOSA会員。メキシコ光学会(AMO)の会長を務める(2015-2016)。
●研究分野
ホログラフィー,スペックルとモアレ技術,画像相関とステレオビジョンシステム

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