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研究室探訪vol. 10 [東北大学 多元物質科学研究所 中川研究室]中川 勝 教授,中村 貴宏 准教授,伊東 駿也 助教

あの研究室はどんな研究をしているのだろう? そんな疑問に答える“研究室探訪”。
今回は,東北大学 多元物質科学研究所にお伺いしました。

極限ナノ造形を目指した界面機能分子制御

 中川研究室では,一桁ナノサイズからマイクロサイズ領域を超える電子・光学デバイスの作製を目指した光機能材料化学の研究を行っている。有機高分子と金属・無機物質の界面機能を分子レベルで精密に設計・制御する,界面機能分子制御により,新たな高分子薄膜系ソフトナノ材料の創出や,有機,無機,ハイブリッド材料の微細加工法を提案している。特に,光ナノインプリントリソグラフィを中心としたマイクロ-ナノ加工技術を使った,表界面,材料,プロセスに関して研究を展開している。
中川 勝 教授
1997年 上智大学大学院 理工学研究科 応用化学専攻 博士後期課程 修了 博士(工学) 1997年 東京工業大学 資源化学研究所 助手 2002年 同研究所 助教授 2007年 同研究所 准教授 2008年 東北大学 多元物質科学研究所 教授
高分子材料化学, 界面科学, 光機能材料, 極限ナノ造形に従事
中村 貴宏 准教授
2004年 東北大学大学院 工学研究科 材料加工プロセス学専攻 博士後期課程修了 博士(工学) 2005年 東北大学 多元物質科学研究所 助手 2006年 同研究所 助教 2015年 同研究所 准教授
レーザープロセッシング, ナノ粒子, 機能性薄膜, 新材料開発に従事
伊東 駿也 助教
2017年 東北大学大学院 工学研究科 応用化学専攻 博士後期課程修了 博士(工学) 2017年 日本学術振興会特別研究員PD 2018年 東北大学 多元物質科学研究所 助教
ナノレオロジー,ナノメカニクス,光硬化性液体,ハイブリッド材料の研究に従事

[研究テーマ1] 光ナノインプリント成形による極限ナノ造形

 研究室で独自に提案して検証を進めるレーザー加工孔版印刷+光ナノインプリント成形「Print and Imprint」法(特許登録)による極限ナノ造形に取り組んでいる。高分子薄膜へのレーザー穴あけ加工と孔版印刷により高粘度光硬化性液体の位置選択的塗布が可能となった。Print and Imprint法による桁違いにサイズの異なるナノサイズからマイクロメートルサイズが共存した2次元構造体の大面積作製や,3次元積層化を目指している。

図1 (左)Print-and-Imprint 法による極限ナノ造形の概念図
  (右上)レーザー加工孔版で基板上に配置した光硬化性液体の液滴
  (右下)成形レジストマスクを介して作製した金マイクロ構造体

[研究テーマ2] 蛍光モアレアライメント法を用いた極限位置合わせ

 これまで蛍光色素含有光硬化性液体を開発し,光ナノインプリントプロセスの可視化や成形された極微細パターンの高精度での検出を示してきた。さらに,インプリントの際に蛍光性液体を使用して周期の異なる格子パターンの重ね合わせから発生するモアレ縞を計測することで,蛍光顕微鏡観察下においてサブミクロンオーダーの位置合わせの原理を実証した。現在,一桁ナノメートルオーダーの位置合わせの研究を進め,蛍光アライメント搭載ナノインプリント装置を開発している。

図2 (左)モールドと基板の間に配置した蛍光性液体から発生する蛍光モアレ縞の蛍光顕微鏡像
  (右)発生した和の蛍光モアレ縞の光強度

[研究テーマ3] 一桁ナノ造形の化学・物理学・界面分子科学の構築

 界面機能分子制御に基づいた光ナノインプリントリソグラフィにより,一桁ナノメートルの構造造形を目指している。研究室では,このサイズ領域において分子液体の固体表面との相互作用による分子液体の粘度増加や高分子鎖の束縛が顕著に現れることを明らかにした。また,電子線リソグラフィ,光ナノインプリントによる溶融シリカ(合成石英)や高分子材料の一桁ナノ造形を原理実証した。

図3
(左)異なる離型促進分子層で修飾したシリカナノすきまにおける液体モノマーの粘度急増現象
(中)電子線リソグラフィで作製したシングルナノ孔を有するシリカモールド断面の走査型電子顕微鏡像
(右)光ナノインプリント成形で作製したレジストパターンの原子間力顕微鏡像

中川研究室より

 微細加工技術において次世代のものづくり基盤技術として期待されているナノインプリント技術に着目している。分子レベルで考える化学的な視点から,界面機能分子制御の学理を目指し,ナノインプリント技術で展開できる先進的な光機能材料の創製を行っている。“光,電子,磁力をあやつる”新しいナノインプリントリソグラフィデバイスの創出を目指している。再生環境エネルギー材料やシングルナノ構造体デバイスへの展開も始めている。

中川 勝 教授

東北大学 多元物質科学研究所 中川研究室
東北大学片平キャンパス 南総合研究棟2号館(旧 材料・物性総合研究棟1号館)
住所:〒980-8577 宮城県仙台市青葉区片平2-1-1
E-mail:masaru.nakagawa.c5@tohoku.ac.jp
URL:http://www2.tagen.tohoku.ac.jp/lab/nakagawa/

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