セミナーレポート

オムロンのコア技術“Sensing&Control+THINK”の集大成 卓球ロボットFORPHEUS-「人と機械の融和」の実現に向けて-オムロン(株) 技術・知財本部 センシング研究開発センタ 研究員 中山 雅宗

本記事は、画像センシング展2019にて開催された招待講演を記事化したものになります。

卓球ロボット開発の目的

 なぜオムロンが卓球ロボットを開発しているのか。その理由は2つあります。1つ目は,卓球ロボットはオムロンのコア技術「Sensing&Control+THINK」が詰め込まれたシンボルであること。2つ目は,オムロンのユニークな考え方である「人と機械の融和」を強く訴求していくためです。
 オムロンは,FA,ヘルスケア,モビリティ,そしてパワーエレクトロニクス等,さまざまな事業に取り組んでいます。これらに共通しているのは,現場から必要なデータを取り出すセンシング技術です。その蓄積したデータや人の知見を用いて分析・活用する+THINK技術の結果をもとに,現場に適切なソリューションを提供するコントロール技術です。これらの技術を軸に技術開発や商品開発を行っており,私たちはこれらのオムロンのコア技術を総称して「Sensing&Control+THINK」と呼んでいます。これらの技術を応用することで生み出した製品の例として,熟練者の“勘”を実現するFA用AIコントローラがあります。
 オムロンのコア技術をわかりやすく体験していただくのに,卓球は適したアプリケーションです。ロボットで卓球タスクを行うためには,ボールやプレイヤー,ラケットの情報をセンシングし,ボールの軌跡を予測して最適な返球の仕方を考え,その結果をロボットに命令を与えることでコントロールします。まさしく「Sensing&Control+THINK」の技術が必要になるからです。卓球ロボットFORPHEUSに使っているすべての機器は,専用機ではなく,ほとんどオムロン製の一般産業用機器で構成されています。
 機械の高度化やAIの登場に伴い,人と機械の関係は大きく変化しています。自動運転に代表されるように,今まで人が担っていた多くの作業や判断が機械によっても実現できるようになってきました。オムロンではそういった機械化や自動化が進化していく中でも,最終的には人と機械がともに働く「融和」を目指すべきだと考えています。「融和」とは,機械が人の能力や創造性を引き出し,それによって人が機械をさらに進化させるような,お互いが理解してともに進化する「共進化」していく関係です。

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オムロン(株) 技術・知財本部 センシング研究開発センタ 研究員 中山 雅宗

2015年 京都大学工学部物理工学科卒業 2017年 京都大学大学院工学研究科マイクロエンジニアリング専攻修士課程修了 2017年 オムロン株式会社技術・知財本部センシング研究開発センタ(現職)。卓球ロボットFORPHEUSのビジョンシステム開発リーダー

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