セミナーレポート

セキュリティ画像処理とそれを通して見た風景セコム(株) 黒川 高晴

本記事は、画像センシング展2015にて開催された誰にでもわかる特別講演を記事化したものになります。

人によるサービスと,機械によるセンシングを融合

 当社のオンライン画像監視システムの仕組みは次のようになります。まず,オフィスなどご契約先に画像センサーを設置。侵入者を監視して,画像認識により侵入を検知すると,異常信号と画像をコントロールセンターに送信します。センターの管制員は画像や音声を確認して,日本全国に配備している緊急対処員に対処指示を出し,必要に応じて警察にも通報します。これは,人によるサービスと機械によるセンシングを融合させた,犯罪特性に依存しないシステムアーキテクチャです。セキュリティはもちろん,他分野のサービスにおいても人間と機械の協調が重要になると考えています。
 当社は1998年に画像による侵入者検知システムを開発しました。我々画像の研究者に求められたことは,画像から自動で侵入者を見つけるというものでした。しかし,実用性能を達成するには膨大な工夫が必要でした。例えば,画像に映る人の影や光,虫などと実際の人をどう区別し検知するのかという課題がありました。そこで,照明光を多段階にして,カメラからの距離を計測するという工夫をしました。
 また,2009年には振り込め詐欺対策システムを開発しました。これは,画像と音声で被害者/不審者を検知し,注意を喚起するというものです。被害者の判別では,携帯電話を使いながら振り込むケースが多いことから,顔付近で手・腕を検出し,それがどのように動いているのか,時間方向に動きを解析します。一方不審者の判別では,サングラスやマスクで顔を隠していることが多いことから,顔の隠蔽をパターン認識などで識別します。
 さらに,2010年には,「インテリジェント非常通報システム」を開発しました。これは,強盗の変装や挙動を自動認識して自動で通報するシステムですが,後頭部と覆面をどう識別するか苦労しました。
 基盤となる画像処理技術では,①画像から対象を取り出す。②対象が同一のものかを判定する。③対象が何をしているかを知るということがポイントになります。

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セコム(株) 黒川 高晴

1997年,東京大学計数工学科計測専攻修士卒業。同年,セコムに入社。以降,画像圧縮,任意視点画像生成,移動カメラ監視,屋外監視,人物検知,人物追跡,セグメンテーションなど,コンピュータービジョンの研究開発に従事。2009年,IS研究所 画像新技術グループ リーダー。2012年よりIS研究所 ビジョンインテリジェンス・ディビジョン マネージャー。主な興味は中間ビジョンとビジョンアルゴリズムのアーキテクチャ。

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