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空間の設計士が顧客や従業員と協力してレイアウトを検討できるシステム「Dollhouse VR」産業技術総合研究所* 東京大学** がんこフードサービス株式会社***
杉浦裕太*,尉林暉**,坂本大介**,チョントビー**,宮田なつき*,多田充徳*
大隈隆史*,蔵田武志*,新村猛***,持丸正明*,五十嵐健夫**

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 綺麗な着物を纏った女性は,着物とは少し不釣り合いなゴーグルをかぶっている。その女性はきょろきょろと周囲を見回しながら手に持ったゲームコントローラを操作している。そんな光景ががんこフードサービス株式会社の一室で繰り広げられた。がんこフードは全国に和食チェーン店を展開する企業で,この女性はその従業員であり,普段は現場で「仲居」として顧客に料理を提供する仕事をしている。
 仲居が使用していたのは産業技術総合研究所と東京大学が共同で開発したDollhouse VRというシステム(図1)。仲居がかぶっていたのはヘッドマウンテッドディスプレイであり,バーチャル空間に没入していたのである(図2)。仲居はまだ施工前の新規店舗の3Dモデルに入り込み,ゲームコントローラを操作しながら,実際にその空間で働いているかのようなロールプレイをする(図3)。この際に,家具や椅子などの家具の配置や通路の幅といった部屋の間取りで不自由な個所を確認する。上を見上げると天井が透明になっており空間をデザインした設計士の表情が見えるため,リアルタイムなコミュニケーションをして不自由と感じた個所のフィードバックをする。空間の設計士は,営業部長や支配人とともに,店舗が表示されたテーブル型のディスプレイを囲んで,仲居のフィードバックをもとに店舗のレイアウトを調整することができた。
 Dollhouse VRの狙いは,空間の設計フェーズに,その空間を実際に利用する従業員や顧客を取り込み参画してもらうことである。Dollhouse VRにより空間の設計士は現場の意見をその場でレイアウトに反映でき,現場に則した環境をデザインできる。Dollhouse VRは,レストランに限らず住宅のリフォームや大規模商業施設の設計などにも応用可能である。
 近々このDollhouse VRで検討された店舗が都内にオープンする。その出来が非常に楽しみである。

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