セミナーレポート

医療画像へのAI応用とその未来大阪公立大学 健康科学イノベーションセンター スマートライフサイエンスラボ 特任准教授 植田 大樹

本記事は、国際画像機器展2021にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。

>> OplusE 2022年5・6月号(第485号)記事掲載 <<


AIの概要と主な技術

 日本で広く用いられている人工知能(AI)の定義は,人工知能学会による「大量の知識データに対して,高度な推論を的確に行うことを目指したもの」になると思います。従来の機械学習(マシンラーニング)と深層学習(ディープラーニング)の違いは何でしょうか。シンプルに言えば,従来の機械学習は人が特徴を教えるもので,深層学習は特徴を自分で捉えるものです。例えば,リンゴをリンゴと判断させたいタスクを考えたときに,機械学習では,「赤い」「丸い」「ヘタがある」などのフィルターを人間が作り,それを当てはめ,リンゴとそれ以外のものを区別します。一方,深層学習ではそうしたことは必要とせず,大量のリンゴ画像を読み込ませて学ばせることで,答えを出すようにします。機械学習は少数の症例で特徴の単純なものに有利で,深層学習は多数の症例で特徴の複雑なものに有利です。準備のコストなどを考えると,機械学習でできるようなタスクであれば,深層学習を使わないほうがいいと思います。
 実際には,AI=ディープラーニングとして用いられることが多いので,私もそのように使用することにします。AIは,層が深くなればなるほど,より細かな特徴を表現できます。ですから,十分な層があれば,ありとあらゆる特徴を捉えることができます。
 主なAI技術には,次の3つの種類があります。大まかな分類から細かな分類の順に「Classification:分類タスク」「Detection:検出タスク」「Segmentation:領域抽出タスク」です。Classificationは,1枚の画像全体から良悪性の特徴量を抽出して診断するもので,1枚のマンモグラフィ画像から,良性なのか悪性の乳がんなのかを判断させます。しかし,乳がんと言われても,どこを見て判断しているのかがわからなければ意味がありません。そこで,画像1枚を分割し,各領域に対する良悪性の特徴量を抽出して診断するのがDetectionです。例えば,画像1枚を12分割し,そのどこに悪性の誤差があるのかをパーセントで提示します。そして,それをさらに細かく1ピクセルごとに分割し良悪性の特徴量を抽出して判断するのがSegmentationです。

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大阪公立大学 健康科学イノベーションセンター スマートライフサイエンスラボ 特任准教授 植田 大樹

2021年3月 大阪市立大学大学院医学研究科放射線診断学・IVR学 博士課程修了 2021年4月-現在 大阪市立大学 健康科学イノベーションセンター 特任准教授 主な業績として,RSNA(放射線科世界最大の学会)The Best of Radiology受賞(2019年),Eirl Aneurysm PMDA認証(日本初のDeep Learningの医療機器認証)(2019年),日本医学放射線学会 最優秀賞(2020年),Eirl Chest Nodule PMDA認証(2020年)

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