セミナーレポート

ビッグデータをPCで自己学習可能な次世代AI“人工脳SOINN”とは何かSOINN/東京工業大学 長谷川 修

本記事は、2016にて開催されたセミナーを記事化したものになります。

新人をトレーニングするように誰でも教示可能

 人工悩SOINNの最大の特長は,プログラムするのではなく,新人をトレーニングするように,「いいよ」「違うよ」とデータの価値や意味,処理結果の評価を与えるだけで,SOINNが自ら学習・成長し,機能が上がっていく点にあります。
 SOINNには,画像,音声,テキスト,センサー値といった,異なる種類のデータを混ぜ合わせて学習させることもできます。例えばSOINNをロボットやドローンに搭載した事例では,“見る”機能の他にも人間でいう五感の情報を統合して高度な認識をさせ,認識結果に応じた適切な行動をさせています。数年前には,SOINNは東日本大震災の膨大な画像データの解析・分類にも活用されました。
 SOINNのビジネス適用事例は,目視検査をはじめ,売り上げ予測,出店計画,銀行の与信判断,不正や異常の検知,医療データ解析,災害予測,各種の機器・装置の自動運転など,極めて多岐にわたります。SOINNは市販のPCの他,場合によってはスマートフォン,タブレットでも学習できます。
 SOINN社では,多くの方にイメージしていただきやすいよう,SOINNを「人工悩」と呼んでいますが,専門的にはSOINNは「学習型汎用人工知能」と言えます。データの投入口を調整する必要はありますが,ひとたび調整が完了すれば,SOINNはデータから自己学習して成長(ネットワーク構造が複雑化)し,画像だけでなく,音声・映像・テキストなどあらゆるデータを複合的に処理できます。すなわち,極めて多様な目的に活用できます(汎用)。
 従来の人工知能では,専門家(データサイエンティストなど)による顧客所有データの精査や,顧客の目的に応じたシステム設計など,多くの工数やコストが必要でした。しかしSOINNは自己学習型のため,必ずしもそれらを必要としません。例えば金融機関様は外に出せない多様なデータをお持ちですが,SOINNであれば金融機関さまの社内にSOINN搭載PCを設置いただくだけでOKです。データを社外に送る必要はなく,場合によってはSOINN社に一切データを開示いただく必要もありません。このように,お客さまの管理下で,お客さまに直接SOINNを「育成」頂いている事例は多くあります。
 SOINNにはノイズ耐性もあります。例えば検索エンジンで検索したノイズを含む検索結果から直接学習させる,といったこともできます。

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SOINN㈱ 代表取締役/ CEO 東京工業大学 未来産業技術研究所 准教授(兼職) 長谷川 修

1993年東京大学大学院電子工学専攻博士課程修了。博士(工学)。通商産業省工業技術院 電子技術総合研究所研究員。1999年米国カーネギーメロン大学ロボティクス研究所客員研究員。2000年経済産業省産業技術総合研究所主任研究員。2002年から東京工業大学未来産業技術研究 准教授(兼職)。2014年からSOINN株式会社代表取締役/ CEO。

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