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画像センシングの最前線

三次元計測の原理と光の性質広島市立大学 日浦 慎作

3.おわりに

 レンズによる結像現象を利用し,ピントを合わせたときのレンズの位置や,画像上に見られるぼけの大きさから被写体までの距離を求める手法が提案されている.これらはそれぞれ Depth from Focusing, Depth from Defocus と呼ばれ,測距原理としては光の直進性を用いる手法に分類される.なぜなら,レンズによるぼけはレンズ口径内の視差により生じる現象であり,ステレオ法の亜種として解釈することも出来るからである.よってステレオ法と同様に,距離の二乗に反比例して測距精度が低下するという特性を持つ.ほかにはモアレ法も能動型ステレオの一種とみなすことができる.
 ガラス面の微小な間隔変化などを検出することができる干渉計は光速を用いた手法であると言える.時間差測定法や位相差測定法では光の強度を変調してその遅れを検出するのに対し,干渉計では光そのものの波としての性質を用い,その位相ずれを検出するという違いがある.時間差測定法は10mを超える距離の計測に強みがあるのに対し,位相差測定法は10cm〜10m前後の範囲に好適で,また干渉計はμmレベルの計測に向いている.
 数ある三次元計測法の中から目的に合致した手法や装置を選ぶためには,単に仕様表上にある装置の性能値などだけでなく,それぞれの手法が依拠する原理を今一度思い起こし,計測したい対象の表面と,その対象と装置の間でどのように光が振る舞うのかに思いを馳せることが大事である.

広島市立大学 日浦 慎作

1972年生.1993年大阪大学基礎工学部制御工学科飛び級中退,1997年同大大学院博士課程短期修了.同年京都大学リサーチアソシエイト,1999年大阪大学大学院基礎工学研究科助手,2003年同助教授.2010年広島市立大学大学院情報科学研究科教授.2008-2009年マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員准教授.三次元空間の画像計測と反射現象・表面質感の解析,コンピュテーショナルフォトグラフィ等の研究に従事.1993年電気関係学会関西支部連合大会奨励賞,2000年画像センシングシンポジウム優秀論文賞,2010年情報処理学会山下記念研究賞,2012年MIRU優秀論文賞等受賞.電子情報通信学会,情報処理学会,日本バーチャルリアリティ学会各会員.博士(工学).

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