画像センシングの最前線

QoL(Quality of Life)向上のための画像センシング技術慶應義塾大学 青木 義満

2. QoL向上のための画像センシング・パターン計測事例

2.1 脳波センシングによる感性評価

 脳から情報を読み取り機器を制御するブレインコンピュータインタフェース(BCI; Brain-computer interface)の研究が盛んに行われている. image1 BCIは既に,コンピュータへの情報入力,車椅子の操作などに応用されており,肢体麻痺患者や失語症患者を支援する試みがなされている.更に,脳の活動をセンシングすることで,そこから感性的な情報を読み取るための試みがなされている.慶應義塾大学理工学部満倉研究室では,簡易型脳波計測器を用いた官能評価システムを構築している.
図1.簡易型脳波計測器と脳波センシングによる官能検査の例(©電通サイエンスジャム)

図1.簡易型脳波計測器と脳波センシングによる官能検査の例
(©電通サイエンスジャム)

従来,脳波計測は大がかりな装置を装着する必要があったが,その制約を取り払い,脳波を”いつでもどこでも簡単に”計測できるユビキタスセンシングが可能な脳波計測器を実現している.更に大量の脳波信号の事例に基づくパターン学習により,脳波計測における重要な課題であるアーチファクト除去と,”心地良さ”や”興味の度合い”などといった感性情報をリアルタイムに読み取ることに成功している.本技術は,音質や雑誌記事,自動車や自転車の乗り心地などを脳波情報から定量評価する事例に活用され,大きな話題となっている*[1]<次ページへ続く>

*[1] http://mitsu.sd.keio.ac.jp

慶應義塾大学 青木 義満

群馬県高崎市生まれ。
1996年早稲田大学理工学部応用物理学科卒業、2001年、早稲田大学大学院博士課程 理工学研究科物理学及応用物理学専攻修了。博士(工学)。
早稲大学理工学部助手、芝浦工業大学工学部情報工学科助教授を経て、2008年より慶應義塾大学理工学部電子工学科准教授。
2013年より、株式会社イデアクエストの取締役を兼任し、慶應理工発画像センシング技術の医療分野での実用化を目指している。専門分野は知覚情報処理・知能ロボティクス、メディア情報学・データベース、計測工学、医用システムなど。

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