セミナーレポート

高性能UAVを用いたインフラ点検支援システム(株)デンソー 技術開発センター Robotics開発室 加藤 直也

本記事は、国際画像機器展2016にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。

自動点検用UAV+損傷自動検出システムを開発中

 デンソーは,クルマ社会の安心安全を目指す会社です。クルマだけでなく,クルマが走る道路の安心安全にも貢献したいという志のもとに,技術開発を進めています。
 道路インフラの中でも,橋梁は全国で70万橋あると言われています。しかも,高度成長期にこれらの多くが造られており,50年を経て老朽化が始まっています。今後10年15年後には日本の橋梁の半分は老朽化のカテゴリーに入ってきます。国では5年に1回の定期点検を義務付けています。現在は橋梁の上に専用車を止め,アームを出して点検したり,ロープに点検士がぶら下がり点検を行ったりしています。これを省人化・効率化していきたいという流れがあります。
 私たちが実現したい点検の姿としては,専用車を止めて交通規制をしなくてもできるようにすること。ドローンを活用し,桁やトラスなど影の部分も移動しながら死角をなくして撮影できるようにすること。そして,地上高や周辺環境条件からアクセスの難しいところでは,人の作業を避け,安心安全な点検を実現すること。また,強風でも点検できるようにしたいということです。
 加えて,点検には点検調書を作るという手間があります。この点検調書を自動作成し,デジタルデータとして保存するということも目指しています。橋梁の点検区分の費用の分析では,点検作業が3割を占め,点検調書を作り,報告書にまとめるという作業も3割を超えています。そこで,点検自体の費用はロボットを使って半分に削減し,点検調書も損傷を自動抽出することで3分の1に削減することを考えています。IoTを活用して点検調書を作り,ペーパレス化を実現。前回点検との比較を容易にし,補修計画の効率化,精度向上につなげていきます。
 このようなことで, 私たちは自動点検用UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)のドローンと併せ,損傷自動検出システムの開発も行っています。

<次ページへ続く>

(株)デンソー 技術開発センター Robotics開発室 加藤 直也

慶應義塾大学理工学部卒業。1984年デンソー入社後 エンジン系製品設計。エンジンシステム研究開発技術企画を経て2014年からロボットシステム開発に従事。

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