セミナーレポート

Deep Learning によるロボット知覚 ―Amazon Picking Challenge における取り組み―中部大学工学部 藤吉 弘亘

本記事は、国際画像機器展2016にて開催されたセミナーを記事化したものになります。

Amazon Picking ChallengeにチームC2Mとして参加

 アマゾンでは,川崎の配送センターで最近ロボット化を実現しました。すでに米国では注文が入った商品が置いてある棚の下までロボットがいき,その棚を持ち上げて,ピッカーのところまで棚を移動させるということを行っています。今後はピッカーもロボットに置き換えたいということで,オープンイノベーション的なアプローチとして始まったのが,物流の自動化技術を競うロボット大会「Amazon Picking Challenge(APC)」です。
 第1回が2015年5月にシアトルで開催されました。競技内容は,3列4段の棚にある12個のBinの中から指定されたアイテム(25種類)のピッキングをロボットに行わせるというものです。画像認識という観点から見ると種類は少ないのですが,センサーで取りづらい網状のものやプラスチックの袋に入ったもの,ぬいぐるみのような非剛体のものなど,問題を抱える多様な対象物が集められています。
 このような課題に対して,我々は中部大・中京大・三菱電機(株)の合同チームC2Mとして参加しました。我々中部大はアピアランスベースの物体検出,中京大はポイントクラウド系の物体検出,三菱電機は産業用アーム型ロボットMELFAに特化しています。ビジョン戦略としては,ポイントクラウドとアピアランスベースの両者の物体認識アプローチを併用。そして,認識したアイテム領域から把持できる位置を検出し,ピッキングするというアプローチを取りました。
 世界各国から30チームの参加があり,我々のチームC2Mは6位でした。優勝したのはベルリン工科大学で,吸着して取るというものでした。把持する場合は,対象物の正確な把持位置の検出が必要になりますが,吸着の場合は大体の位置がわかれば吸えるので,それほど位置の検出精度が要求されないということがあります。
 APCでは,各チームでどのようなことをしたかをシェアする文化があり,ソースコードもオープンにされています。第1回ではディープラーニング手法を使ったものはほとんどなく,多くのチームは認識を一番の課題に挙げていました。

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中部大学工学部 ロボット理工学科 藤吉 弘亘

1997年 中部大学大学院博士後期課程修了 1997年 米カーネギーメロン大学ロボット工学研究所Postdoctoral Fellow 2000年 中部大学工学部情報工学科講師 2004年 中部大学准教授 2005年 米カーネギーメロン大学ロボット工学研究所客員研究員(~2006年) 2010年 中部大学教授 2014年 名古屋大学客員教授(兼任) 計算機視覚,動画像処理,パターン認識・理解の研究に従事。ロボカップ研究賞(2005年) 情報処理学会論文誌CVIM優秀論文賞(2009年),情報処理学会山下記念研究賞(2009年),画像センシングシンポジウム優秀学術賞(2010, 2013, 2014, 2016年),電子情報通信学会 情報・システムソサイエティ論文賞(2013年),画像センシングシンポジウム最優秀学術賞(2016年)他。

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