スピン歳差運動をテラヘルツ光で読み出す技術を開発京都大学,科学技術振興機構
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京都大学のグループは、強磁性体におけるスピン(磁化)歳差運動の情報を、テラヘルツ(THz、テラは1兆)光の偏光回転として直接読み出すことに成功した。従来、磁化の超高速ダイナミクスの検出には、磁気光学効果やTHz光放射の観測が用いられてきたが、スピン歳差運動の情報をTHz光の偏光変調として直接検出する技術は確立されていなかった。
本研究では、Co–Pt多層膜構造を用いて光励起–THzファラデー回転測定を行い、スピン歳差運動(複数のスピンが、外部磁場の中で同じ周波数と位相を保って一斉に歳差運動を行う現象)に伴う異常ホール伝導度の時間変化をTHz偏光の変調として観測した。外部磁場の強度に応じてスピン歳差運動の周波数が変化することで、歳差運動がTHz偏光に変調をもたらしていることが分かった。この成果は、スピン情報をTHz光によって読み出す新たな手法を提示するもので、スピントロニクスとTHzエレクトロニクスの融合に向けた重要な一歩となることが期待される。










