光学メタサーフェスを用いた空間・偏波ビーム多重器を実証東京大学
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東京大学のグループは、光学メタサーフェス*を用いた多入力多出力ベクトルビーム変換器の実証に成功した。光の波長よりも小さな微細構造からなる光学メタサーフェスと金反射膜を用いた小型デバイスで、入力された複数のビームを直交した偏波・空間モードに変換した上で、それらを重ね合わせた（多重化した）状態で出力できることを初めて示した。
多数の空間モードを多重化もしくは分離するには、これまでは複数の光学部品を複合的に組み合わせる必要があり、モジュール全体の小型化と低コスト化を妨げる要因であった。さらに偏波モードもあわせて分離するには、追加で偏波ビーム分離器も必要であった。今回、光学メタサーフェス技術を用いて、面積が約0.2 mm2 、厚さが約0.6 mmの小型素子により、多数の光ビームの空間・偏波モードを同時に変換して多重化した状態で出力するデバイスを実現した。発光素子や受光素子との集積、及び2次元並列化も可能で、将来の自由空間光通信、大容量空間分割多重光通信、偏波依存ホログラフィックイメージングなどさまざまな応用が期待される。
*波長よりも細かい構造体を平面上に高密度に配置することで、垂直に入射された光の波面を変換する素子。
