少数データから光触媒性能を予測可能な機械学習モデルを開発神戸大学,奈良先端科学技術大学院大学
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神戸大学などのグループは、太陽光と水からCO2フリー水素を製造できる光触媒の性能を、少数データから予測できる機械学習モデルを開発した。
本研究では、安全・安価・安定な光触媒材料であるヘマタイト(α-Fe2O3)に複数の異種元素をドープ(不純物を少量添加)した光触媒電極を作製し、水素生成性能の指標である光電流値を、元素の特徴量や実験データに基づいて高精度に予測することに成功した。さらに、二段階LASSO回帰(線形重回帰のひとつ)という新たな手法を開発、光電流値の予測に寄与する光触媒電極の特徴を抽出することを可能とした。加えて、モデル構築に用いない元素組成のサンプルに対する予測でも、実測値との誤差が小さいことを確認し、本手法が未知サンプルに対しても高い予測精度を有することを実証した。
これらの成果により、太陽光水素製造システムに関連する光触媒電極の重要な特徴を明らかにするとともに、最適なドーパントの組み合わせや濃度の探索に要する膨大な試行時間を大幅に短縮できると期待される。










