マウス脳深部領域の低侵襲的 “血流” 観察に成功高知大学,愛媛大学,山口大学

 高知大学,愛媛大学,山口大学の研究グループは,二光子蛍光顕微鏡用の新規高輝度蛍光材料を開発した。この材料を用いることで,世界中の研究グループが挑戦してきたマウス脳深部領域の“血流”の観察に成功したと発表した。
 脳を対象とした様々な難治性疾患・血管疾患の病理機構の解明とその治療法を開発することは極めて重要な取り組みである。それらを実現するためには,疾患モデル動物の脳神経や脳血管を“低侵襲的(=動物を傷つけず)”かつ“高い時空間分解能(=小さく細かい血管や神経をミリ秒単位)”で可視化する技術が必要不可欠である。そのため,現在,二光子励起蛍光イメージング(2PM) が広く利用されている。しかし,従前の2PMはその観察可能深度が低く,例えばマウスの脳深部,特に記憶や学習能力に関わる“海馬”領域の血管の観察が極めて難しいという問題があった。
 今回,同グループは,超高輝度(=高二光子励起発光効率)な蛍光ナノエマルジョン を開発した。本蛍光ナノエマルジョンは既報の蛍光ナノ粒子群と比べて10~1000倍に相当する輝度をもち,0.01秒程度での一画像取得が可能となった結果,“血管”の画像化のみならず,血液が流れる(=血流)様子を映画並みのフレームレート(120 fps)で観察することができた。
 本技術を活用することで,脳の高次機能を司る大脳皮質から海馬領域に至るまでの脳血管・血流と神経回路機能の観察が可能となるため,脳高次機能のメカニズム解明や,脳血管が関与する様々な疾患の診断,予防および治療法の開発に繋げることができると期待される。

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