渋谷眞人氏が光工学業績賞(高野榮一賞)を受賞渋谷眞人

 東京工芸大学名誉教授の渋谷眞人氏が,第4回(2020年)光工学業績賞(高野榮一賞)を受賞した。渋谷氏は,日本光学工業株式会社(現ニコン)に入社し,最先端の光学設計・開発に従事し,多くの優れた業績を上げた。後に,東京工芸大学に移り,学生の指導に尽力されている。現在も同大学名誉教授として,執筆や講演を通して,我が国の光学界の発展に寄与している。
 渋谷氏の業績を列挙すると,位相シフトマスクの発明に加え,MTF計算法の吟味と球面収差がある系の正弦条件の導出,半導体露光装置の結像評価の基礎となるスカラー回折理論の厳密化,フィゾー型干渉計における高次デフォーカス補正,半導体露光装置のローカルフレアの起源の解明,幾何光学的MTFの意義の明確化,奇数次を含む非球面の光学設計など多岐にわたる。また,『回折と結像の光学』(大木裕史氏と共著)や『レンズ光学入門』などの著作は,光学設計研究者・技術者の育成教育に大いに貢献した。以上の光学基礎理論,光学設計の分野への貢献が評価され,光工学業績賞の受賞が決定した。
 光工学業績賞・功績賞(高野榮一賞)は,高野榮一光科学基金の新しい事業として2017年度に設立された。「光を利用した機器・部品開発や計測技術,光の制御・操作技術など,光技術・光科学の発展にインパクトのある応用が期待される優れた研究開発」の業績を称える業績賞と長年の功績を称える功績賞の2種類がある。

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