高性能純青色有機EL素子の開発に成功九州大学,関西学院大学

 九州大学,関西学院大学の研究グループは,高効率かつ高速な逆項間交差速度を示す新規熱活性化遅延蛍光(TADF)分子と発光線幅の狭い純青色発光分子を組み合わせ,TADF分子のエネルギーを純青色発光分子へと移動させることで,高い発光効率・色純度・素子耐久性を併せもつ高性能な青色有機EL(OLED)素子の開発に成功したと発表した。試作した青色有機EL素子は,最大27%の高い外部EL量子効率とともに非常に狭い半値全幅(19 nm)のELスペクトルを示す。さらに,この青色有機EL素子は,初期輝度1,000 cd/m²における輝度劣化時間(5%劣化)が10時間以上と,高効率青色有機EL素子としては飛躍的に高い駆動安定性を示すことを明らかにした。今後,素子構造の最適化などによるさらなる素子耐久性の向上が期待でき,ディスプレイの超低消費電力化に寄与する青色有機EL素子を実現できると期待される。

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