複数のプローブを同時に画像化する「MI-IP」を開発理化学研究所,名古屋大学 研究グループ

 理化学研究所と名古屋大学の研究グループは,これまで単一のプローブしか解析できなかったベータ線イメージング装置にガンマ線を捉える検出器を組み込むことで,複数のプローブを同時に解析できる新装置「MI-IP(Multi-Isotope Imaging Plate)」を開発したと発表した。
 少量の放射性プローブを画像化できるベータ線イメージングは,PETによる全身撮像後の組織切片観察や,植物内の低分子やミネラルの動態解析など,他の手法ではアプローチが難しい研究に力を発揮する。プローブとして用いるベータ線放出核種にはさまざまな種類の元素があり,人工的な原子核変換により作られる核種も含めると,ほぼすべての元素がプローブとして利用可能であるが,これまでの装置は複数のプローブを同時に画像化することはできなかった。
 今回,同グループは,ベータ線を放出する核種のうちの多くが,ベータ崩壊に伴いエネルギー値が核種に固有であるガンマ線も放出することに着目し,ベータ線とガンマ線を同時計測することで,複数のプローブを区別して同時に画像化する装置の開発に成功した。
 これにより,高感度で定量性に優れたベータ線イメージングの応用範囲を広げ,創薬を含むライフサイエンスや植物生理学,工学等の分野で複数のプローブを解析できることにより,研究をより高度にすると期待される。

ニュース 新着もっと見る

書籍案内購入はこちら

干渉計を辿る

著者
市原 裕
価格
3,000円(税抜)

第11・光の鉛筆

著者
鶴田匡夫(ニコン)
価格
5,500円(税抜)

コンピュータビジョン 最先端ガイド6

著者
藤代一成,高橋成雄,竹島由里子,金谷健一,日野英逸,村田 昇,岡谷貴之,斎藤真樹
価格
1,905円(税抜)

Excelでできる光学設計

著者
中島 洋
価格
3,909円円(税抜)

シミュレーションで見る光学現象 第2版

著者
Masud Mansuripur
訳:辻内 順平
価格
6,000円(税抜)

レンズ光学入門

著者
渋谷 眞人
価格
4,000円(税抜)