シリコンフォトニクスと量子ドット技術の融合により,ヘテロジニアス波長可変レーザーを開発東北大学,情報通信研究機構(NICT)
東北大学においてシリコンフォトニクスを用いて開発した高い波長選択機能を持つ超小型の波長可変フィルターチップと,NICTの独自のナノテクノロジーで開発した量子ドットを用いた光増幅器チップとを効果的に組み合わせ,それぞれの長所を生かすことで,従来にない超小型でありながら広い波長範囲で使用できる波長可変レーザーの開発に成功した。それぞれの技術は製造方法や材質が異なるために,従来は一体化が困難だったが,両者を効率よく結合する技術の開発によって波長可変動作を可能にした。
これにより実現された波長可変レーザーは,従来の量子ドット波長可変レーザーでは数cm角程度の大きさが必要だったのに対して3mm×1mm程度と非常に小型であり1,200~1,244nmの波長範囲で良好な波長可変動作を示し,面積にして数百分の一以上の小型化が達成され,消費電力や応答速度も大幅に低減された。今後,光通信システムの更なる大容量化,低消費電力化を図ることが期待されている。