新バイオイメージング技術で巨核球破裂型造血過程を明らかに自治医科大学,京都大学iPS細胞研究所
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自治医科大学と京都大学iPS細胞研究所の研究グループは,骨髄中の巨核球細胞に生体顕微鏡観察,バイオイメージングを行い,新しい血小板造血の過程を同定し,制御する因子(インターロイキン1アルファ;IL-1α)を明らかにしたと発表した。研究グループが新規に開発し解析に用いたバイオイメージング技術は,生体骨髄で1つの血小板が産生される様を,3次元かつ動的に観察できる高速高解像度イメージングであり,従来手法ではわからなかった急速におこる血小板造血の機構を解明した。
今回の発見・同定により,1950年代より議論が続く造血そのものの細胞生物学的過程を明らかにし,骨髄バイオイメージングの手法論そのものも大きく進歩させたと言える。今後,輸血に必要な血小板をiPS細胞から大量に製造する際にも,新たな生理作用が認められたIL-1αが重要な役割を持つ可能性があるとみられている。