奈良先端大,「全光型」のカギとなるスイッチングメモリー素子の動作電流を大幅に削減奈良先端科学技術大学院大学
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奈良先端科学技術大学院大学の物質創成科学研究科 超高速フォトニクス研究室の河口仁司教授と片山健夫助教らの研究グループが,半導体レーザーによるスイッチングメモリー素子の動作電流を,従来の1/4となる1mA以下へと削減したことを発表した。光通信の分野では,光信号を通信途中で電気信号に変換することなく,すべて光信号で行う「全光型」の研究が進んでいる。そのカギとなるのが,光信号のまま情報を記憶する半導体レーザーによるスイッチングメモリー素子である。ただし,これまでの全光型スイッチングメモリー素子は消費電流が大きく,大規模システムにした場合,電気-光変換回路の削減による低消費電力化を相殺してしまう可能性があった。河口教授らが開発した光メモリーは,光信号を直接半導体レーザーが受け,偏光として入出力するタイプである。半導体レーザー内の電流の通り道を絞り込む「酸化狭窄構造」によって低電流化に成功した。