レーザ光照射でトポロジカル半金属薄膜上に任意形状の超伝導ナノ構造を作製、無磁場で超伝導ダイオード効果を実証東京大学
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東京大学のグループは、トポロジカルDirac半金属α-Sn*薄膜の任意の位置に、レーザ照射のみで高品質で任意形状の超伝導金属β-Sn**を形成し、原子レベルで平坦なα-Sn/β-Sn平面ヘテロ構造を作製する手法を開発しました。
集光したレーザ光を照射したα-Sn領域は熱によりβ-Snへと相転移し、臨界温度3.7 Kの超伝導を示します。さらに、α-Sn薄膜中に作製したβ-Snナノ細線構造では、磁場ゼロでも電流の向きによって超伝導状態(電気抵抗ゼロ)と常伝導状態(電気抵抗あり)が切り替わる超伝導ダイオード効果を発現し、さらに磁場をかけることにより最大整流率10.8%を達成しました。
これまではトポロジカル物質と超伝導体からなる高品質界面を形成することが量子デバイスを開発する上で困難な課題でしたが、本研究成果はこの問題を解決し、大面積化・量産展開にも適したシンプルかつ低コストの加工プロセス技術を提供するものです。
*トポロジカルDirac半金属α-Sn:ダイヤモンド型結晶構造をもつスズ(Sn)の同素体。歪みなどによりトポロジカルDirac半金属(TDS)になる。TDSはバルク電子状態でDirac方程式で記述される線形分散の電子状態が存在し、その電子キャリアが高移動度およびスピン・軌道・運動量の強い結合をもつ材料で、近年スピントロニクスおよび量子科学分野で注目されている。
**超伝導金属β-Sn:正方晶構造をもつ金属スズの同素体。約3.7 K以下で電気抵抗がゼロになるBCS型超伝導を示す。β-Snは金属スズとして広く使われている。










