セミナーレポート

高精細映像とAIで進化する警備サービスALSOK セキュリティ科学研究所 桑原 英治

本記事は、国際画像機器展2018にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。

警備システムの進化

 警備サービス拡大に伴い,侵入窃盗は2002年のピークと比べ,2017年には5分の1に減少しています。一方で,高齢者をターゲットとした特殊詐欺,女性や子どもが被害に遭う犯罪やサイバー犯罪が増加しており,今までなかったようなテロに対する脅威など,国民の不安,安心安全へのニーズは高まっています。これまでの抑止策は事後対策でしたが,それではテロ,通り魔,児童連れ去りなどの確信犯による犯行は防げません。その予兆をとらえ,未然に防止する新たな警備モデルが必要になっているのです。それには,最先端技術の活用が欠かせません。センシングデバイス,IoT,人工知能(AI),5G,ビッグデータ,ドローン・ロボットなどあらゆる最先端技術を駆使し,新たな警備モデルを構築していこうというのがわれわれの取り組みです。
 警備システムは,通信の大容量化やセンサー・カメラなどの技術進化を取り入れ,ドローン活用や画像分析を扱う高度なレベルに進化しています。当社では「ALSOKゾーンセキュリティマネジメント」のコンセプトのもと,ウェアラブルカメラやロボットなどの最先端技術を活用し,高品質・高効率な警備サービスの実現を目指しています。例えば,警備員の監視に代わり,AIを活用することで,不審な行動や異常な行動の予兆をとらえ,従来では困難であった未然防止を可能にします。たとえば,地下街で道に迷っている,具合が悪くなってうずくまっているなど,人がたくさんいるオープン空間で困っている人を助けるためにAIのシステムを活用することができます。
 AIが警備システムの進化のための頭脳とするなら,目に相当するのが4Kなどの高精細画像です。特に,監視カメラで遠くの画像をAIで分析させるためには4K画像が欠かせません。さらに,頭脳や目をつなぐ神経となる5G(第5世代移動通信システム)を活用することで,4K画像の大容量・高速通信が可能になり,リアルタイムでの画像共有と低遅延,混雑したイベント会場や災害時でも安定した通信を実現する高信頼性が確保できます。われわれはこのAI・4K・5Gを「現代版三種の神器」と呼んでいます。

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ALSOK セキュリティ科学研究所 桑原 英治

1982年,日本電信電話公社入社,1992年,ジュネーブ海外事務所にて海外ビジネスに従事。2002年,NTT-ME次世代ネットワーク事業部長として通信ビジネスに従事。2005年より東日本電信電話㈱ ビジネスソリューション部長,NTTコミュニケーションズ㈱法人事業本部第四法人営業本部長として,法人ビジネスに従事。2011年,綜合警備保障㈱執行役員商品サービス企画部長。2018年より同社 セキュリティ科学研究所長として警備ビジネスに従事。現在に至る。

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