セミナーレポート

オフィス用品を用いた化学センサーデバイスの作製とパターン認識に基づく多成分同時検出東京大学 生産技術研究所 南 豪

本記事は、画像センシング展2021にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。

天然の分子認識機構に着想を得た多成分分析技術の開発

 天然では,受容体の緩やかな選択性(交差応答性)を巧みに利用し,例えば嗅覚系では数十万種の標的種に対して数百個程度のみの受容体を用いて匂いを判別しています。そこで,天然の分子認識機構に着想を得た取り組みとして,交差応答性を示す人工分子認識材料を用いて作製した「センサーアレイ」に着目しました。センサーアレイは,アレイ状に並べたセンサー群が標的種の捕捉に伴い多彩な応答パターンを示すため,本応答をパターン学習することで多種多様な標的種や濃度の化学情報を取得することができます。機械学習などの強力な解析技術を適用すると実サンプルの分析も可能となり,これまでに色や光で検出可能なセンサーアレイを用いて,ヒトの尿中に含まれる薬物の検出や日本酒やワイン分析などに挑戦しています。これらの取り組みによって,提案する手法は,既存の高価な機器分析法に匹敵または上回る感度での検出・分析能を示すことを明らかにしてきました。

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東京大学 生産技術研究所 南 豪

2011年 首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 博士後期課程修了 同年 米国ボーリンググリーン州立大学化学科 博士研究員 2013年 同大学 Research Assistant Professor 2014年 山形大学大学院理工学研究科 助教 2016年 東京大学 生産技術研究所 講師 同年 東京大学卓越研究員 2019年 同大学 准教授 現在に至る 2021年 仏国コンピエーニュ工科大学 客員教授 同年 山形大学 客員教授 文部科学大臣表彰若手科学者賞など全35件受賞

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