【重要】技術情報誌『O plus E』休刊のお知らせ

営業で肝に銘じているのは, 絶対に嘘はつかない,ごまかさないということ株式会社マイクロ・テクニカ 岩田 節子

仕事というのは,お金だけでは換算できないものがある

聞き手:最後に,これからの時代を担っていく若手の技術者や,これから画像分野に入ってくる人たちに向けて,メッセージをお願いします。

岩田:マイクロ・テクニカにも若い子が毎年何人か入社してきますが,まずは遠慮しないで,自分の言いたいことを言って欲しいですね。言いすぎるかなと思う子もいるかもしれませんが,ここ数年見ていると,こちらから話をしたことは「わかりました」と言ってくれるのですが,自分からこういうふうにしたいとなかなか言ってくれません。最初からは無理かもしれませんが,自分からこんなことがやりたいと言ってもいいのではないでしょうか。それから,私もこの業界に長くいて,いろいろな会社を見ていますが,やはり好きでないと続けられないと思います。そんなに儲かる仕事でも,楽な仕事でもないですから,どうやって好きになるかというのも大切です。
 さきほどお話ししたように,私も最初から画像処理がやりたくてマイクロ・テクニカに入ったわけではありません。それでも,まったく自分が見たことがない世界でしたから,面白いなと思いました。面白いと思っていたので,いろいろお客様にも聞いてみるし,技術の人にも確認して教えてもらいます。そして,それがまたちゃんとお客様に伝わったときはうれしいです。まして営業ですから,一緒につくった製品が1つでも売れていくとやはりうれしいですし,いまだに新しい製品が出るのはすごくうれしいです。若い方たちにもそういう経験をしてもらえたらと思います。
 それから,画像の技術というのは,必ずしもFAの画像検査だけで使われる技術ではありません。パソコンのインターフェイスになり,ソフトウェアもWindowsやLinuxが使われるようになり,Webやクラウドが使われるようになり,画像技術は他のマーケットにも広がり始めています。スマートファクトリーやクラウドなどを含め,もう少し広い目で見ていくと,画像技術もいろいろな可能性が広がっています。ただ,プログラムを作るのが好きだという子もいるかもしれませんが,そういう視点で仕事をしていけばもっと楽しくなると思うのです。
 私はもともと学校の先生を目指したのは,子どもの成長を通じて自分がその成長に役立てられることにやりがいを感じていたからです。仕事というのは,お金だけでは換算できないものがあります。マイクロ・テクニカでも,いろいろな仕事をして,いろいろなことを覚えて,自分が成長していくのが楽しかったから続けられたのです。JIIAの仕事も会社の売上には直接つながりませんが,私たちの活動を通じて,業界全体が盛り上がっていきます。そして,自分たちが決めてテーマを出したことが,会員が喜んでくれたり,海外のメーカーからJIIAのカンファレンスはすごい良かったよと言われたりします。そうしたことが喜びで楽しくてやっているわけです。ぜひ,自分なりのやりがいを見つけて欲しいと思います。
岩田 節子

岩田 節子(いわた・せつこ)

1987年 埼玉大学卒業
1989年 (株)マイクロテクニカ入社
2006年 JIIA(日本インダストリアルイメージング協会)理事
現在   JIIA副代表理事
株式会社マイクロテクニカ https://www.microtechnica.co.jp/
JIIA            http://jiia.org/

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