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大学の先生になったら,絶対ちゃんと教育するぞと思っていた
学生は場さえ与えれば自分で育つところがすごいと思った科学技術振興機構 研究広報主監 佐藤 勝昭

何かを専門にするよりも,異分野を組み合わせて複線化してきた

佐藤:最近『太陽電池のキホン』という本を出しました。それで太陽電池屋の方から見ると,私は太陽電池屋というか光物性屋だと。それで「佐藤先生,磁性もやっていたのですか」と言われます。一方,磁気の方面では「えーっ,先生半導体もやっているんですか」と言われたりします。本当にいろんなことをやっています。発光材料,受光というか光電変換も発光も,それからあと磁性体も磁気光学も経験してきました。超伝導もですね。おかげで,異分野を組み合わせるということができます。超電導では当たり前になっているMOD(Metal Organic Decomposition)という方法を磁性体であるYIGに応用したのは,私たちが最初なのです。今や薄膜を作る標準的な方法になりつつありますから,何がいいかというのは分からないのです。
 いろいろな知識を持っていることが,非常に使えました。教科書も書いているので,教科書には,誘電体のことも超伝導のことも,あらゆることを一通り書かなければいけないでしょう。だから,すごく勉強になります。おかげで,物性のことは大体まかせろという感じで,物性基盤を広くカバーできるのだと思います。

お困りの方に場を提供する「物性なんでもQ&A」

聞き手:佐藤先生のHPの「物性なんでもQ&A」は,とても面白いページです。
佐藤勝昭のホームページ http://home.sato-gallery.com/index.html

佐藤勝昭のホームページ http://home.sato-gallery.com/index.html

佐藤:あれは,先生方も見ているようですね。先生は自分で質問しにくいから,学生に質問させたりしているのですよ。学会なんかで会うと礼を言われて,えっと思ったら,実は学生に質問させたなんて教えていただくことがあります。ああいうことをやっていると,世の中にはすごいお困りの人がいっぱいいるなと思うのです。以前であれば,相談できるような人が会社にいたのです。しかし,今は,そういう人はリストラされてしまっていて,なかなか聞こうと思っても相談できないのです。
ホームページ内の「物性なんでもQ&A」

ホームページ内の「物性なんでもQ&A」

大学でも,本当に自分の専門以外のことは分からないから,ちょっとはみ出したことをやろうと思うと分からなくて,お困りの方がいっぱいいるのです。そういうお困りの方に場を提供するというのはいいのではないかと思っています。大事なことは,必ず実名で質問するということです。匿名希望ならば掲載時に匿名にします。そうすることで,質問にも責任を持ってもらいます。こちらは,きちっと自分の身分を明かして,答えられる範囲で答えているし,分からないとほかの人に振っているわけです。だから,こういうことは,ネット時代の一つのあり方ではないかと思っています。 <次ページへ続く>
佐藤勝昭(さとう・かつあき)

佐藤勝昭(さとう・かつあき)

1942 兵庫県生まれ 1966 京都大学大学院工学研究科修士課程 修了 1966-1984 NHK(日本放送協会)勤務 1978 工学博士(京都大学) 1984-2005 東京農工大学 2005-2007 同理事副学長(教育担当) 2007東京農工大学名誉教授 2007-2010東京農工大学工学府特任教授 2007-2013科学技術振興機構(JST)「革新的次世代デバイスを目指す材料とプロセス」研究総括 2007-2012 JST基礎研究制度評価タスクフォース(兼務) 2008- JST研究広報主監 2010- JST研究開発戦略センター(CRDS)フェロー(兼務)
●研究分野
磁気光学,半導体光物性,近接場光学,結晶工学,高温超伝導,磁性体ナノ構造
●主な活動・受賞歴等
2015 応用物理学会 業績賞(教育業績) 2014 日本結晶成長学会 貢献賞 2007 応用物理学会 フェロー表彰 2003 日本磁気学会 業績賞 2003 応用物理学会 JJAP編集貢献賞 2001 日本磁気学会 論文賞 2001 Int. Superconductive Electronics Conf. 2001 (ISEC'01) Excellent Poster Award 2000 Materials Research Society Best Poster Award 1997 日本磁気学会 出版賞
●画歴
1950-1954 小学生時代, 伊藤継郎(新制作)の児童画教室に学ぶ 1953から油彩をはじめる 1957-1960 大阪府立北野高校で美術選択 岡島吉郎(国画会)に学ぶ 1968-1984 NHK技研美術部で樋渡涓二(日府展前理事長)に師事 1970日府展に出品。中島哲郎に学ぶ 1974 ぎゃらりー渋谷で第1回個展 1978-2001銀座詩季画廊で個展(第2回?10回)二人展3回開催 現在 一般社団法人日本画府理事(洋画部審査員) 日府賞,記念賞,愛知県知事賞等受賞 2007- 麻生区美術家協会事務局長,麻生区文化協会総務 2008- アルテリッカ新ゆり美術展実行委員長

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