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時間がかかっても,正確なデータを出せばそのデータはずっと使える宇都宮大学 阿山 みよし

理解してくれる良い伴侶を見つけることも大切

聞き手:女性が研究職として活動されていくということで,実際に困惑されたことや大変だったことをお聞かせください。

阿山:研究をやるということ自体に関しては,何もないのですが,やはり出産と子育てでしょうか。男性と違って,自分が産むわけですから。だから,妊娠の間は思うように動けなくなるし,出産すれば赤ちゃんは原則24時間,保護が必要ですから。そこはやはり大変だと思います。私の場合はほとんど私の両親に面倒を見てもらえました。ものすごく,ラッキーだったと思います。
 今度,恐らく工学部教員として初めて,当学科の准教授の先生が産休を取るのですけど,組織として制度が整い,周囲の教員にもそういう理解がすごく進んできたのはいいことだと思います。
 長い目で見て,その人材がその後の何十年と貢献できることを考えると,産休の1年とか,第2子の時の1年とか,トータルで2~3年休職したからと言って,そんなにたいしたことではないと思います。私の世代とか,私より上の世代は,産休でもほんの3カ月しか取れませんでした。第2子,第3子の休暇を取ろうとすると,「またですか」とか平気で言われていました。そういうことを言ってたら,本当に女性の研究者なんて育たないから,そういう時代に比べたら,産休に対する理解がだんだん広まっているのはいいことだとは思います。
 あと女性の研究者は,理解してくれる良い伴侶を見つけることも大切ですね。私の主人は同じ研究室の後輩なのです。一緒に実験をやっていたこともあります。それで仲良くなったんですけれども。だから,実は私は宇都宮に単身赴任で,主人はずっと横浜のほうにいます。同じ研究室出身なので私がしている研究がどんなことなのか,彼はよくわかると言うか。それで,結構離れていても安心に感じてくれていると思います。お互いに仕事の内容がおおまかには想像がつくということで,近い分野の人ですごく良かったかなと思ってます。今では,奥さんが働くのは普通と言うか,2人で稼いでないとやっていけないということもあると思いますが,もう30年以上も前だと,結婚したら奥さんには専業主婦になってほしい,働いてもいいけど,家庭に支障をきたさない程度で,なんてみんな平気で言っていて,それがハラスメントだなんて言われていない時代でした。ですから主人が理解してくれるということは,私たちの間では当たり前のことですが,恐らくわれわれの世代のカップルで考えると,それほど普通ではないかもしれないと思えるので,それはすごく感謝しています。
 ですから若い女性には,やはり研究者でも真剣にちゃんと婚活をして,仕事に理解のある伴侶を探すべきですよ,と提言します。 <次ページへ続く>
阿山みよし(あやま・みよし)

阿山みよし(あやま・みよし)

1954年 東京都生まれ 1983年 東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報工学専攻博士後期課程修了 1983年 ヨーク大学心理学科ポスドク 1985年 東京工業大学総合理工学研究科助手 1989年 東京都神経科学総合研究所流動研究員 1993年 宇都宮大学工学部情報工学科助教授 2001年 宇都宮大学工学部情報工学科教授 2015年 大学院工学研究科先端光工学専攻教授
●研究分野
視覚科学,色彩科学,照明評価,感性工学の研究
●主な活動・受賞歴等
映像情報メディア学会,応用物理学会,照明学会,日本光学会,日本視覚学会,日本色彩学会,OSA,SID会員,昭和58年照明学会研究奨励賞(照明学会) 昭和62年度光学論文賞(応用物理学会光学懇話会) 第12回(平成6年度)色彩学論文賞(日本色彩学会) 第5回(平成24年度)日本色彩学会論文賞(日本色彩学会)

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