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安いものを活用してどのように性能を向上させるかが,腕の見せ所三明電子産業株式会社 代表取締役社長 久保田 和俊

安くて良い物を作ること

聞き手:御社の得意分野や製品についてお教えください。

久保田:弊社は,1974年に全自動のいか釣り機,直流機のトランジスターサーボユニットの販売を開始しています。このバイポーラトランジスターを使用したモータードライブユニットは,当時主流であったサイリスタを使用した製品に比べ高性能を実現していました。モーションコントロールに関する技術は会社の黎明期から続く得意分野の一つです。
 現在,弊社で取り扱っております技術から,特に光技術に関連するものを二つご紹介します。
 まずは,非球面等の自由曲面に薄膜付け,コーティングができるスプレーコーティング技術です。
 これには弊社で「paraMotion」と呼んでおります,パラレルリンクアクチュエータを使用し,コーティング部材を塗布するノズルを被塗布部材に対して,一定の距離で垂直になる様に3軸制御するものです。現在は5軸の物を鋭意開発しています。
「paraMotion」操作の様子

「paraMotion」操作の様子

 この技術で,例えば非球面のレンズに反射防止膜などのコートが高精度で可能となります。
 このparaMotionはロボットというよりは手軽に使えるアクチュエータ感覚のローコスト・パラレルリンクです。 小型軽量ですので,デスクの上を作業台としてすぐに使用できます。ダイレクトティーチングやオプションのタッチパネルで簡単に操作可能です。組み立て装置・検査装置・はんだ付け・ネジ締め装置・試験装置・ピック&プレースなどの用途に適しています。
 paraMotion のティーチングを行うには特別な操作教育を受ける必要はありません。誰でも簡単にティーチング作業を行うことが可能で,これにより生産状況の変化に即応した体制の構築ができます。
 長年使用している機械は経年変化などにより精度維持や滑らかな動作などが難しくなりますが,paraMotionは自動キャリブレーション機能を搭載していますので,部品交換や経年劣化等による使用環境の変化があっても,簡単に調整が行え,最適な状態で使用することが可能です。paraMotionを基本としたパラレルリンク機構製品を年間200台販売することを目標にしています。
 もう一つは歯科用歯型三次元計測装置です。LED光を計測する歯に向け照射し,その反射光をカメラがとらえることにより三次元形状計測を行います。そのデータを使用してparaMotionで歯を削る加工機を開発しています。
 この製品は,歯科技工士の方の仕事を奪うといった意見をよく頂きますが,それは,歯科技工士の方の仕事の大変さがお分かりなっていない方のご発言だと思います。
 歯科技工士の仕事は3Kだとも言われています。この仕事をparaMotionで行うことで労働環境の改善ができることは社会貢献であると認識しております。
 そのほかにも,画像処理関連としてFPDのガラスやフィルムのコンタミや異物の検出をする装置の開発にも力を入れています。
異物検査装置とそのヘッド部

異物検査装置とそのヘッド部

 このように計測装置,検査装置などの画像処理等を複数の会社と共同で開発しており,弊社は複数の技術をインテグレートしてシステムとし,OEM対応,自社製品開発を行っております。

聞き手:製品を作る上での心構えや目指すところをお聞かせください。

久保田:やはり「安くて良い物を作ること」です。ここにこだわりを持って開発を続けたいと考えています。高性能で価格も高いのは当たり前ですが,安いものを活用して,どのように性能を向上させるかが,腕の見せ所だと思います。
 今後も業界No1の製品を提供できる様に開発を続け,さらに制御技術の専門メーカーの強みをいかした製品の開発販売も続けて行きます。 <次ページへ続く>
久保田和俊(くぼた・かずとし)

久保田和俊(くぼた・かずとし)

1956年 静岡県出身
1977年 東京農業大学 農学部 農業工業科卒業
1987年 株式会社三明に入社
2007年 三明電子産業株式会社 代表取締役社長に就任
三明電子産業株式会社は1970年創業。世界ナンバーワンといわれる「全自動いか釣り機」や,人の動きを実現した「paraMotion」など,サーボ制御技術,モーション制御技術を核に,サーボドライブ,精密ロボットメカ,ナノ微細加工等の自社製品と,産業用生産設備の自動化システムの設計・開発・生産などのOEMを手掛けている。
URL http://www.sanmei-ele.co.jp/

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