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安いものを活用してどのように性能を向上させるかが,腕の見せ所三明電子産業株式会社 代表取締役社長 久保田 和俊

自分のなるべく好きな,やりたいことを仕事にした方がいい

聞き手:御社は離職率が低いとお聞きしますが,何か特別なことをなさっておられるのでしょうか?

久保田:そうですね。ここ3年,4年ぐらいは新人の離職者がゼロです。
 実は弊社では1年目は特定の部署に配属をしていないのです。1年目は全員研修ということで製造現場,どこの部門に行くか分からないのです。ただ,基本的に入社時に希望は聞いています。その上で9月ごろにもう一度,私が面談をします。そして翌年の2月に配属先を決めています。
 これは,なるべく希望に沿った部署に行かしてやりたいなという思いもあって行っています。
 今の学生の皆さんは,ただ漠然と電気のこういう仕事をやりたいとか,製造がいいのかなとか考えて入社されるのですが,1年間そういう形で,自分が何をやりたいのかを見つけなさいということなのです。
 3カ月はいろいろな部署を回り,その後は基本的に製造部門に行きます。ものづくりの基本が分からないとほかに移っても大変なのでそうしています。設計志望だった新入社員が,1年たつと,やっぱりものづくりの方がいいということでそのまま製造現場に居つく人もでてきます。
 やはり,自分のなるべく好きな,やりたいことを仕事にした方がいいですから。弊社の場合,グループ企業に機械や商社もありますから,もしそういう希望があれば,グループ間での転籍もあります。通常だったら退職ですが,そのままのキャリアで,希望のところに行けるのは非常にいいと思っています。
 また配属時に,例えば開発部に行きたいということであれば,結局,図面が描けない,物の手配もできないと配属されてもお互い負担になりますから,その時には別の部署でもう1年研修をして,図面の描き方とか必要なスキルを習得させてから配属させるようなこともしています。
 あと,研修期間中に交換ノートを付けています。研修中の社員が書いたものに先輩,上司が赤を記入するのを1年間していますが,赤を入れている方も勉強になります,自分が何を教えなきゃいけないかとか。
交換ノート

交換ノート

 例えば,初めてやる仕事で時間がかかることがありますが,その時にはただやらせるのではなく,重要なポイントはきちんと教えてあげないといけない。そうしないとその最初のところでつまずくから,手が動かないのです。
 私も船の設計をした時に,最初は図面が読めるように重量計算からやらされました。重量,重心を出す仕事は一番基礎の部分ですが,図面を見るスキルが身につきます。でも,実際に描けと言われると,全く手が動かないのです。要はどういう構成で描いていいか,自分でやると分からないのです。その時に少し説明してもらうと,手が動き始めるのです。そういうところが,大切だとは思います。 <次ページへ続く>
久保田和俊(くぼた・かずとし)

久保田和俊(くぼた・かずとし)

1956年 静岡県出身
1977年 東京農業大学 農学部 農業工業科卒業
1987年 株式会社三明に入社
2007年 三明電子産業株式会社 代表取締役社長に就任
三明電子産業株式会社は1970年創業。世界ナンバーワンといわれる「全自動いか釣り機」や,人の動きを実現した「paraMotion」など,サーボ制御技術,モーション制御技術を核に,サーボドライブ,精密ロボットメカ,ナノ微細加工等の自社製品と,産業用生産設備の自動化システムの設計・開発・生産などのOEMを手掛けている。
URL http://www.sanmei-ele.co.jp/

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