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安いものを活用してどのように性能を向上させるかが,腕の見せ所三明電子産業株式会社 代表取締役社長 久保田 和俊

電気というのをそんなに知らない

聞き手:久保田さまがものづくりに進まれた経緯をお教えください。

久保田:私は農業関係の大学出身で,実はものづくりのことは全然知らなかったのです。
 大学を出た後は地質調査をしていました。測量とかそういう仕事がやりたかったのです。ですが,あることでその会社を辞めることになり,たまたま横須賀にあった親せきが経営する造船の設計会社に入って,船の設計を少しだけやりました。その後,ずっと設計関係の仕事でしたが,いつになっても暇にならないし,もう一生こうなのかなと思っていた時に,やはりたまたま私の兄がグループに勤めていまして,来ないかと言ってくれたのです。それで三明の総務に入りました。もう設計はやりたくないと言って。 remark69_5  そうしたら,1年間の研修が終わるころに,当時の社長,今の会長に呼ばれて「お前,図面を描けるんだから,三明電子に勉強に行ってこい」と。私は電気が一番嫌いなので「いいです」と断ったのですが,「いいから,図面が描けるんだから行け」と「3年ぐらい勉強してこい」と言われてきたのです,そのまま,ここに根が生えてしまって今に至っています。
 造船設計で図面も描けたのと,造船不況でファナックに1年間行きまして営業のサポートをしていたのも理由だったと思います。ファナックでは営業が持ち帰ってきた,例えばラインにロボットを入れた時の動作範囲の検討などの図面を描いて,それを営業に持たせたり,時には一緒に説明に行ったりしていました。
 当然,3DのCAD(Computer Aided Design)はない時代で2DのCADでいろいろ付け加えて1枚の図面というか,一つのシステムにするということを1年ぐらい,結婚して3カ月くらいで,単身で行かされていました。
 だから,私は本当に電気というのをそんなに知らないのです。この会社に来た当初は,周りは電気を知ってる人ばかりでしたから「私は電気を知りません」と言っていました。威張ってはいませんけど(笑)。
 ただ,弊社では電気以外にも鉄の制御盤といった加工もしていましたので,自分ではそこができればいいなと思っていました。電気はほかのみんながやればいい,私は別の板金という薄肉の加工を勉強してやればいいと思い,ずっとその仕事をやってきています。 <次ページへ続く>
久保田和俊(くぼた・かずとし)

久保田和俊(くぼた・かずとし)

1956年 静岡県出身
1977年 東京農業大学 農学部 農業工業科卒業
1987年 株式会社三明に入社
2007年 三明電子産業株式会社 代表取締役社長に就任
三明電子産業株式会社は1970年創業。世界ナンバーワンといわれる「全自動いか釣り機」や,人の動きを実現した「paraMotion」など,サーボ制御技術,モーション制御技術を核に,サーボドライブ,精密ロボットメカ,ナノ微細加工等の自社製品と,産業用生産設備の自動化システムの設計・開発・生産などのOEMを手掛けている。
URL http://www.sanmei-ele.co.jp/

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