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光学は研究する余地はまだあるのでそれを見つけてどのようにやるかワシントン大学名誉教授 アルバート S 小林

リタイア制度はあるけど定年はないから,82歳まで大学にいた

聞き手:アメリカはリタイア制度が日本とは違うと思いますが,ワシントン大学はどんなリタイア制度でしたか。

小林:リタイア制度はありますが,定年制はありません。うちの学科では,80歳の先生がいて,私より2年か3年後に入ったけど,まだ彼は辞めていません。教授のポジションだと,准教授の倍ぐらい給料があるわけです。それで新規の助教授が全然入れません。今は他からお金が集まって,新しい准教授が入っていますけど。その教授は,ワシントン大学全学の現役の中で一番年をとっていると思います。それで,彼は絶対に辞めないって言っています。本来なら教授の代わりに准教授を2人雇えるわけですが,若い人たちのお金が出ないのです。
 私は72歳でリタイアしたのですが,あのころはみんな65~70歳でリタイアしていました。私はリタイアした後,大学の制度で5年間,40%で再雇用してくれる制度を使いました。50%だとフリンジベネフィットや何かを払わなきゃならないから,40%にしているのです。その後,研究員として5年間いて,最後に82歳のとき研究室を若い准教授に渡しました。実験者は,研究室がなくなると何もできません。理論をやっている先生は,コンピューターと頭があればいいですが。でも,実験は器具がいるし,場所がなければいけません。

聞き手:日本は65歳を定年としていく動きですから,そのお年まで現役で研究を続けていられたのはすごいですね。先生はお元気ですが,健康に気をつかわれていることはありますか。

小林:これでも,関節炎なんかで困っているんです。スキーもできなくなってしまいましたね。ですが,ある程度健康には気をつかっています。よく見ると,みんなマシンでエクササイズをしています。私も90歳になりますが,ジムに行っています。若い人と同じことはできないので,ウエートなんかも小さいウエートで週に3回ぐらい,妻と一緒に行っています。
ALBERT S. KOBAYASHI (あるばーと・さとし・こばやし)

ALBERT S. KOBAYASHI (あるばーと・さとし・こばやし)

1924年12月9日 シカゴ生まれ 1947年9月 東京大学工学部卒業 1947-1950年 小西六株式会社にて生産設計技師 1952年3月 Washington大学 工学部機械工学科修士 1953-1955年 Illinois Tool Works(Chicago)にて設計技術者(高度歯車解析) 1955-1958年 Illinois工科大学Armor Research Foundationの研究技術者(実験応力解析) 1958年6月 Illinois工科大学から博士号 1958年8月 Washington大学工学部機械工学科助教授 1958-1976年 Boeing Aerospace Company顧問 1961年9月 Washington大学工学部機械工学科準教授 1962-1982年 Mathematical Sciences Northwest顧問(構造解析と破壊力学) 1965年9月 Washington大学工学部機械工学科教授 1974-1978年 AFRPL(米空軍ロケット推進研究所)顧問 1984年11月 U.N. Development Program国連開発計画局(UNDP)顧問 1986年1月-1986年6月 Office of Naval Research(米海軍研究事務所ONR)顧問 1988年-1995年 構造力学のBoeing Pennell Professor 1989-1990年 SEMの会長 1997年7月 Washington大学工学部機械工学科名誉教授
●研究分野
破壊力学,実験応力解析,有限要素解析
●主な活動・受賞歴等
National Academy of Engineering (技術アカデミーNAE)会員 American Society of Mechanical Engineers(米国機械学会ASME)フェロー Society of Experimental Mechanics(実験力学会,以前はSESA,現在はSEM)生涯名誉会員,1989会長 American Academy of Mechanics,Sigma Xi and Tau Beta Pi会員 1973年 F. G. Tatnall 賞 1981年 B. J. Lazan 賞 1983年 R. E. Peterson賞 1983年 William M. Murray Lecture Medal 1991年 JSMEから第一回の材料力学部門賞 Burington Resources Foundation教授功績賞 1995年 M. M. Frocht 賞 1995年 ASEE General Electric Senior研究者賞 1997年 勲三等旭日中綬章 1997年 日系アメリカUW Alumni ClubからAlumni功労賞 2006年 ワシントン大学機械工学科の栄誉殿堂入り 2007年 ASME Daniel Drucker Medal 2010年 ASME Nadai Medal 2013年 ワシントン大学工学部 Diamond Award

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