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研究というのはできないことに挑戦していくほうがいい東京電機大学 工学部 機械工学科 先端機械コース 教授 堀内 敏行

若い人には自発的に取り組んでほしい

聞き手:最後に,若手研究者・技術者,学生に向けて“光の魅力”を教えください。

堀内:どう言ったらいいんでしょうか,「光」という字は,あんまり嫌いな人がいない字ですよね。明るいイメージがあるし,速いイメージもあるし,バランスもいいし,「光栄です」とかというぐらい,割といいイメージだと思うんです。そういう意味では,学生さんはそんなに嫌いにならないのかな?と思います。人間には視覚,聴覚,嗅覚,触覚,味覚という五感がありますが,9割以上の情報は目から入るそうです。目が見えない人は視覚以外の方法で文字を読んだりするわけですが,情報の取得にもすごく時間が掛かるし,他人に伝えるにも,視覚がないと大変みたいです。目は何も物を言っていないようでも,そうではありません。目を見ると何を考えているのかある程度分かったりこちらを良く思っているのか嫌っているのか分かったりするではないですか。その点からも光を感じる目,視覚に対して反応を及ぼすものはすべて非常に重要なものだと私は思っているんです。
 人間の目で見える光は可視光だけで,電磁波全体からすればほんのわずかです。人間の目で見えない電磁波には,紫外線,赤外線,電波,X線などいろいろありますが,そういう光を含めて森羅万象の非常にいろいろなところに光がかかわっていますので,それを勉強しても損はないと思います。ですからぜひ興味を持ってもらうといいかなと思っています。
 大学に来る学生さんは,大学へ来たらもう少し自由度大きく勉強できると思って来ると思うんですが,やれ授業とか,やれ実験・製図だとかって,結構受け身になっています。自分のほうから進んで勉強したりとか,何か考えたりとかっていうことは,割と少なくなっている気がしますので,ぜひいろんなことに自分のほうからチャレンジして行ってほしいです。
 大学院入試の面接で「どうして大学院へ行くんですか」という定型の質問をすると「もっと勉強したいです」とか言う返事が返って来ます。でもただ授業を受けるだけでは,大学院へ行ってもしょうがないよという話をしますが,なかなかその辺を脱却できない学生さんも多いように感じます。もう少し活発に行動してくれるといいなと思います。若い人が自発的能動的にいろんなことに取り組んでほしいということを強く願っています。少し破天荒なくらいの学生が出てきてくれたほうが,日本も進むかなというふうに思います。
堀内敏行(ほりうち・としゆき)

堀内敏行(ほりうち・としゆき)

1948年 神奈川県生まれ。1970年東京大学工学部機械工学科 卒業。1970年 日本電信電話公社入社。1997年 東京電機大学 工学部 精密機械工学科 教授。現在,東京電機大学 工学部 機械工学科 先端機械コース 教授。
●研究分野:光リソグラフィ,マイクロ部品製作技術,小型飛翔ロボット
●現在,電気学会 リソグラフィ次世代技術調査専門委員会 委員長。応用物理学会 シリコンテクノロジー分科会 幹事。精密工学会 代議員。国際シンポジウム フォトマスクジャパン 組織委員会 委員長。

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