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われわれは,まだ光のすべてを理解していないアリゾナ大学 光科学部 偏光研究室 Russell A. Chipman

11月,宇都宮大と共同で光学分野の短期集中講座を開催

聞き手:今年の11月5~7日,アリゾナ大と宇都宮大が共同で「第4回光学設計&測定ショートコースプログラム」を日本で開催されますね。日本で開催する狙い,宇都宮大と共催することにした理由などをお話しください。

Chipman:まずは,「ショートコースプログラム(短期集中講座)」の成り立ちからお話します。私はSPIEやOSAといった光学会でいくつも短期集中講座を開催してきました。企業の依頼により,社員向けの集中講座を開いたりもしていますので考案した講座数は50本を下らないと思います。ならば,この集中講座を日本でも開催すれば面白いのではないかと思い立ったのです。この案を,京都にほど近い山崎にある,ナルックス(株)という光学会社を設立した北川清一郎氏に相談したところ,アリゾナ大の光学講座を受講できることは,彼らの取引先や自社のエンジニアのみならず日本の研究者にとって有益なことになると共鳴してくれました。早速北川氏は,この短期集中講座を日本で開催する支援を申し出てくれ,彼らの会社に近い京都で開催することになりました。京都駅に隣接した都ホテルで開催し,60名ほどの受講者が集まりました。そこで,翌年は集客しやすい東京で開催したところ,大成功を収めたのです。100人以上の受講者が,日本のみならず台湾や韓国からも集まってくれました。日本での講義は有意義で面白かったのですが,忙しくなってきたこともあり,昨年,スタンフォード大学で光学設計・開発を研究していた高島譲先生を,われわれの学部に迎えることになりましたので,お手伝いをお願いしています。今年,短期集中講座を開講するにあたり,高島先生がいろんな提案をしてくれるおかげで,谷田貝先生以外の宇都宮大の先生方にも協力してもらうことができたのです。

聞き手:今年は4回目になりますが,今回のプログラムはどういった構成なのですか。

Chipman:短期集中講座では,非常に基本的な光学トピックスについて学んでもらうため,大学院課程の授業内容から構成しています。具体的には,光干渉,偏光,フーリエ光学,ホログラフィー,結像の概念に重点を置いていますので,新入社員にとってもエンジニアやマネジャークラスの方にとっても,より光学の知識を深めるには最適なコースだと思います。また,光学専門でない分野のエレクトロニクスや機械工学に従事される方でも,講義内容は十分理解できる内容となっていますので,スキル向上のお役に立てると思います。
 今回は受講者の理解力をより高いものとするため,アリゾナ大からは,ショートコースのために来日するWyant先生,John E. Greivenkamp先生,Scott Tyo先生,金田有史先生,高島先生と私を含めた6名の教授陣と,宇都宮大の教授陣による講座(英語と日本語の講座)を組み合わせて行います。英語での講座には,ナルックスの社員で現在アリゾナ大で学んでいる大西道久さんや池田賢元さんなど,英語に堪能な日本の物理学者が同席しますので,気軽に日本語で質疑応答することもできます。絶好の機会ですから,授業の内容以外にも,皆さんの仕事におけることでも気兼ねなく質問してください。リポートの提出など課題はありませんが,講義の終わりにアンケートをしていますので,疑問点や聞きそびれたことなどを書いていただければ,後日お答えします。難しいことほどそれを習得した時はこの上ない喜びとなりますから,ぜひチャンスをものにしてください。 <次ページへ続く>
Russell A. Chipman(ルッセル・チップマン)

Russell A. Chipman(ルッセル・チップマン)

1976年マサチューセッツ工科大学学士号取得(BS)。1977年パーキンエルマー社に光学エンジニアとして勤務。1978?1981年ベックマン・インスツルメンツ社に物理学者として勤務。1982?1985年アリゾナ大学大学院にリサーチアシスタントとして勤務(1984年アリゾナ大学光科学部で修士号取得(MS))。1987年アリゾナ大学光科学部で博士号取得。1987?1997年アラバマ大学のハンツビル校に物理学准教授として就任。1997?1998年ジョンソン・エンド・ジョンソン社に光学関連部門のマネジャーとして勤務。1999?2000年TeraStor社に光学関連部門のマネジャーとして勤務。2000?2002年JDSユニフェーズ社のネットワーク機器部門およびシニアマネジャーとして勤務。2002年よりアリゾナ大学の教授に就任,光科学部の偏光研究室を主宰。現在に至る。OSA(米国光学会)フェロー, SPIE(国際光工学会)フェロー。
●専門:分光偏光測定機やイメージ偏光計の開発を手掛け,ファイバー用光学部品,ウエーブガイド,液晶,偏光機能部品,および自然界の偏光に関する研究に従事。光学の分野で12の特許を持つ
●主な受賞歴など:2005年,米航空宇宙局(NASA)Tech Brief Award受賞。2007年, 偏光の研究によりSPIE GGストークス賞を受賞。Applied Optics の編集委員(Topical Editor),OSA偏光工学グループのチェアでもある。

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