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光学技術発祥の地・板橋で,次世代へつなぐ「人づくり」を!板橋区長 坂本 健

次世代へつなぐ「人づくり」をモットーに

聞き手:板橋区では,光学・精密機器で「板橋ブランド」を確立していこうと取り組まれていますが,実際のところ光学機器メーカーが板橋区に会社や研究所を作るといった場合,どんなメリットがありますか。

坂本:そうですね,将来的には大きなメリットですが,なかなかすぐに効果が出るといったものではないと思っています。地道にやっていかなければメリットが出ませんので,まずは,光学や精密機械産業の集積地として地の利を十分に生かしながら,企業間による情報交換の促進といった技術やマーケット情報等の集約機能を板橋区が中心になって担って行きたいと思います。顔の見える交流から技術交流や技術交換に広がり,そこから市場情報や技術情報が相互に行き交うような場づくりへ。そして,全国からも,板橋に集積された人・モノ・技術に関心を持っていただくことを期待しています。こういった集積を築くための取り組みには何が必要なのか。まずは,「板橋区は光学・精密機械産業の集積地を担う産業文化都市」として,この場所の優位性を国内外にアピールしていきます。その一歩として,板橋区に本拠地を持つ日本光学会の光設計研究グループが中心となられて開催しています「ODF国際会議」を板橋区に誘致し,光学・精密機器の産業都市として板橋区をアピールしていきたいと思っています。今年の7月,ロシアのサンクトペテルブルグでODFの国際会議が開催されます。この会議に出席し,2014年の次期開催地として板橋区のPRをしてきます。

聞き手:一分野の国際会議に,区長自らが出席されるといったことは,なかなかないことでは…。光学・精密機器分野に力を入れていらっしゃるということですね。

坂本:そうです,区レベルの取り組みとしてはこれまでなかったと思います。やはり板橋区は,光学・精密機器技術の発祥の地でもありますから,次世代へつなぐため,こういった専門分野こそ板橋が積極的にかかわっていかなければならないと思っています。マーケットよりも,やはり研究開発や技術交流に力を注いで行くつもりです。今後,板橋の産業に光学関連分野を担う研究者の方々のお力を借りて活性化を図ろうと,構想中です。

聞き手:ほかの自治体で何か光学関連分野での支援など聞かれたことは?

坂本:おそらく,板橋区独自の取り組みだと思います。いわゆるPRなどの支援をされているところは多いのではと思うのですが,産学公連携による研究開発支援に特化した取り組みを一地方自治体で行うことはなかったことだと思います。板橋区では,今までも研究者たちの環境整備のお手伝を微力ですがサポートしてきたこともあり,研究者の方々と関係を築いてきました。今後は,そのつながりをネットワークとして広げていけるように取り組んでいきたいと思います。私は,光学の分野は詳しくないのですが,ひとつのモットーとして「人づくり」を掲げています。どんな分野でも,「人づくり」がやがて「ものづくり」の原動力につながると確信しています。回り道ではありますが,でも,一番大事なところですからね。

聞き手:今後につながるところですね。光学・精密機器産業の発展のために,国ではなく,都ではなく,区だからこそできることがありましたらお聞かせください。

坂本:そうですね,東京はある意味広いですから,その場所性というのでしょうか,単一なイメージではなく各地域の特色ある文化も含めて,その場の人や歴史を見ていただきたいですね。その方が,かかわる人たちにも盛り上がりが出てくるのではないでしょうか。板橋から埼玉へ工場を移転されても,研究開発は板橋で行っている企業さんもありますので,現在でも光学技術発祥の地ならではのネットワークがまだまだ活きているのだと感じています。ですから,そういった企業さんの昔からのつながりというものも大事にしながら,地域間の関係を含めて,自治体板橋を核として,板橋というものが東京を越えて「日本全体の中の板橋の光学だ」というところを,皆さんにご紹介していきたいと思っています。その重要な施策として,技術承継もありますが,まずは人づくりです。その他にも光学・精密機器の分野は,すそ野が非常に広い産業なので,レンズだけではなく,その周辺機械の加工技術などが板橋区内にそろっていますので,光学分野以外のものづくりにおいてもさまざまなメリットが受けられるのではないでしょうか。

聞き手:板橋産業技術支援センターを今年の2月にオープンされたということですが,それも支援の一環ですか?

坂本:これは,東京都の産業技術総合研究センターが青海に移転し,それに伴い城北地区に拠点が無くなってしまいましたので,その代替で設けました。区内企業の方たちにさらに使いやすいものを提供しようということで,規模はまだ小さいですが相談機能を追加するなどしています。
坂本 健(さかもと・たけし)

坂本 健(さかもと・たけし)

1959年,板橋区生まれ。1985年,日本大学大学院生産工学研究科博士前期課程建築工学専攻修了。1986年,日本設計事務所?[現・?日本設計]入社。1999年,特別養護老人ホーム ケアタウン成増設立代表者就任。2001年,社会福祉法人みその福祉会理事長就任。2003年,みその幼稚園設置者就任。2005年,日本大学大学院理工学研究科博士後期課程建築学専攻単位取得退学。2005年,東京都議会議員初当選。2007年,板橋区長初当選,現在二期目在任中。

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