【重要】技術情報誌『O plus E』休刊のお知らせ

エンジニアリングとサイエンスのバランスを考える東芝リサーチ・コンサルティング(株) フェロー 波多腰 玄一

伊賀東工大学長とジャズユニットを結成

聞き手:開発以外のお仕事についてはいかがですか?

波多腰:2006年から2009年の3年間,独立行政法人科学技術振興機構(JST)の研究開発戦略センターに行っていました。電子情報通信分野とナノエレクトロニクス材料分野の研究開発戦略の策定提案で,おもな仕事はプロポーザルを書くことでした。国が「こういう研究に投資すべき」という戦略を提案し,いろいろな先生方と話をしてワークショップに出てもらったりプレゼンテーションをしてもらったりするのです。ここでさまざまな先生方と知り合いになれたことは,その後,結構役に立っています。事務方として,それまではあまりお付き合いがなかった先生方ともお話をさせていただきました。

Duo21(伊賀健一先生ご提供)

 そのほか,学振委員会の幹事や微小光学研究グループの運営副委員長をやっています。微小光学研究グループでは,MOC(微小光学国際会議)のプログラム委員や組織委員をやっていて,1999年にはプログラム委員長をやりました。その時のことですが,「プログラム委員長だからパーティーで何かイベントを企画しないといけない」と言われ,ピアノを弾くことにしました。1人で弾いても面白くないので,伊賀健一先生にコントラバスを弾いてもらって一緒にジャズをやりました。伊賀先生はこの研究グループの代表で,現在の東京工業大学学長です。この企画は大変好評でした。最初は恐る恐るお願いしてみたのですが,伊賀先生は「楽譜さえあればやりますよ」とおっしゃり,やっていただくことになりました。その時の1回限りのつもりでやったのですが,次の2001年にも「今回もやりましょう」ということになり,結局,それからずっとこの国際会議でやっています。伊賀先生がこのユニットに名前をつけてくださって,それは「デュオ21」といいます。2人なので「デュオ」なのですが,「21」というのは「21世紀を切り開く」という意味なのかと思いきや,伊賀先生の意図は,伊賀健一先生のお名前の「一」とわたしの名前である玄一の「一」を合わせて「2人の一」で「21」――すなわち「デュオ21」という名前なんだそうです。MOCは国際会議なのですが,外国人には分からないかも知れません(笑)。

聞き手:波多腰さんはおいくつくらいの時からピアノを弾かれているのですか?

波多腰:大学の時からです。在学期間が長かったので家から仕送りをもらい続けるわけにもいかず,奨学金とアルバイトで生活を全部まかなっていました。そのアルバイトとして時々ナイトクラブでピアノを弾いたことがあったのです。別に大して弾けるわけではないのです。ああいうところはみなお酒を飲んでるから,何をどう弾いたってばれはしないので(笑)。
波多腰 玄一(はたこし・げんいち)

波多腰 玄一(はたこし・げんいち)

1974年,東京大学 工学部物理工学科卒業。1980年,同大学大学院 工学系研究科物理工学専門課程博士課程修了。同年,東京芝浦電気(株)入社,総合研究所電子部品研究所に配属。1989年,同社 総合研究所電子部品研究所化合物半導体材料担当 主任研究員。1996年,同社 研究開発センター材料・デバイス研究所研究第四担当 研究主幹。1997年,同社 研究開発センター個別半導体基盤技術ラボラトリー 研究主幹。2003年,東芝リサーチ・コンサルティング(株) フェロー。2006年,独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー。2011年現在,(株)東芝 研究開発センター電子デバイスラボラトリー 参事(兼務),東芝リサーチ・コンサルティング(株) フェロー。独立行政法人日本学術振興会 光電相互変換第125委員会幹事,公益社団法人応用物理学会 日本光学会微小光学研究グループ運営副委員長,ISO/TC172/SC9国内対策委員会委員長。Laser Focus World Japan 社外編集顧問。

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