【重要】技術情報誌『O plus E』休刊のお知らせ

ベンチャーで成功するには,どこに用途があり,誰が買うのか分かっている必要があります。東京大学 物性研究所 渡部 俊太郎

フェムト秒軟X線レーザー

 私は,超短パルスが簡単に出せるということで,チタンサファイアレーザーを使ったフェムト秒レーザーの研究を行っているわけですが,今やっているのは軟X線レーザーの開発です(図2)。X線レーザーは,生体を生きたまま観察できる顕微鏡ができるなど,昔から夢のレーザーと言われてきました。

図2 手前は超短パルス高出力チタンサファイアレーザー(3台)と後方はエキシマレーザー。軟X線レーザーの励起用に使用。両装置とも超短パルスレーザーとしては平均出力は世界最高。

 もともと私は光源屋ですから,レーザーは自分で作るという主義でやってきました。1989年以来,その時々の会社の人達と一緒にレーザー開発をしてきたわけですが,いつも頭のなかにはX線レーザーの開発がありました。
 私は,光源という視点からフェムト秒軟X線レーザーを研究していますが,世の中の応用の主流はやはり加工にあります。1990年頃にチタンサファイアレーザーが登場して10年近くたちましたが,フェムト秒レーザーはまだ基礎研究の段階です。本当にこれを産業に使うとなると,もう1つブレークスルーが必要になると思います。

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