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起業するには信念が必要です。「画像一筋」この言葉がその表れでもあります。ヴィスコ・テクノロジーズ(株) 足立 秀之

起業の精神

聞き手:足立社長は,10年ほど会社勤めをされた後に,画像処理検査装置の会社を起業されたわけですが,いつごろから会社を立ち上げようと考えたのですか?

足立:そうですね,学生のころから普通に考えていました。

聞き手:学生のころからですか。

足立:そうです。そのころは,「このような会社」といった具体的なイメージはまだありませんが。

聞き手:それには何かきっかけなどがあったのですか?

足立:特にきっかけというものはありませんが,戦国時代や戦国武将などが好きでしたので,「一国一城の主」というのを目標にするのは普通なのかなというイメージは学生のころからありました。最初に入った外資系のアナログ・デバイセズにしても,そういうノウハウが学べるという考えがありました。そして,コグネックスにしても同様です。

聞き手:アメリカでは,学生の起業というのは昔から当たり前のように行われ,超一流企業になった例は数多くありますが,日本ではあまりそのような例は聞かれません。しかしながら,日本の若者の中にも,「俺もアップルやマイクロソフト,グーグルやフェイスブックのような企業を立ち上げてみせる」と考えている,バイタリティーのある人がいるかもしれません。そのような若者に対して,“夢”を実現する方法を,足立社長ご自身の経験からアドバイスしていただければと思います。

足立:夢を実現するためには,やはり目標に対して強い信念を持つことが必要だと思います。「何でもいいから起業する」という思いを常時持つことも大切ですが,実際に現実のものとするためには,「自分はこれがしたい」という具体的な信念がないと難しいと思います。
私にとっては,それが画像処理であったわけです。会社のポリシーでもある「画像一筋」という言葉はその表れといえます。また,そのような信念を持つと,先も自然と見えてきます。先が見えれば,会社を興すというのは一つの通過点にしかすぎないことも分かってきます。

聞き手:なるほど,そういったことは実際に起業した人でないと分かりませんね。
ところで,起業のタイミングというのは,やはり運などもありますか?

足立:あると思います。

聞き手:足立社長の場合はどうでしたか?アメリカのベンチャー企業の場合だと,ベンチャーキャピタルや“エンジェル”と呼ばれる投資家が出資者となり起業するというケースが多いようですが。

足立:これはうちの会社の特徴なのですが,私が起業したときは,全部自分のお金でやりました。今は多少,ベンチャーキャピタルも入っていますが。

聞き手:それはすごいですね。

足立:学生には非常に難しいかもしれませんが,「やるなら自分のお金でやる」というのが私の持論の一つです。

聞き手:確かに,自分のお金で起業すると考えると“決死の覚悟”というか,身が引き締まる思いがします。

足立:そうですね。小さくても,やるなら自分のお金でやらないと,やっぱり駄目なのではないかなと思います。

聞き手:会社経営はどのようにして学ばれたのですか?

足立:もう,すべて独学です。技術や営業に関しては,全く心配していませんでしたが,経営や経理などは未経験でしたので大変でした。しかしながら,本当の意味で「自分の会社」ですから,辛くはなかったですね。そういった意味も含めて,自分のお金でやったほうがいいのです。少しでも人のお金だと思うと,怠け心が出てきたりしますから(笑)。

聞き手:なるほど,確かにそうかもしれません。アメリカと日本では,考え方や社会風土が異なりますから,日本に合った起業の方法というのがあってもおかしくありませんね。
本日はお忙しい中,興味深いお話をありがとうございました。

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空と偏光

2020.03.25

空と偏光

東京工業大学 松谷 晃宏