分子内のすばやい動きで高いエネルギー光へ変換: 量子センシングの医療応用にも期待神戸大学,長崎大学,新潟大学,名古屋大学
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名古屋大学などのグループは、人体に無害な長波長光を高いエネルギーをもつ短波長光に変換するアップコンバージョン過程の中間体が、分子内部の励起子ホッピング運動を1兆分の1秒の単位で繰り返し起こす現象を明らかにした。このホッピング速度は溶媒の粘性を変えるだけで大きく変化させることが可能で、それにより光の波長変換の効率を制御できることを示した。
今後は、分子振動を巧みに利用する光エネルギー変換デバイス開発が進展し、人体に害のない近赤外光を利用する光線力学的ながん治療や、その細胞内部のミクロな流体環境センシングへの応用など幅広い分野への展開が期待される。