光電極の反応メカニズムを解明東京科学大学,北陸先端科学技術大学院大学,東京都立大学,Imperial College London
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光電気化学的な水分解は、クリーンな水素を生成する有望な技術だが、その効率は電子と正孔の再結合によって大きく制限される。この課題を克服するため、電荷の分離と移動の特性を詳細に分析し、再結合のメカニズムを明確にすることが不可欠だ。
今回、東京科学大学などのグループは、「光強度変調光電流分光法(IMPS)」と「緩和時間分布(DRT)解析」を組み合わせた新たな分析手法を適用し、光電極の動作環境下でのその場観察を行った。その結果、これまで一つの現象として捉えられていた電子と正孔の再結合が、実は異なる3つの過程に分かれていることを明らかにした。さらに、反応速度が遅い領域に未知の“サテライトピーク”が存在することを発見し、これが電子移動や反応のボトルネックとなる可能性を示した。