ウェアラブルデバイスを用いた生物時計の可視化に成功北海道大学
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北海道大学のグループは、ヘルスケア分野で急速に発展しているウェアラブルデバイスを用い、ヒトの生物時計が発振する概日リズムの状態を評価する方法を確立した。
本グループは今回、ヒトの生物時計に強く制御される概日リズム指標である深部体温リズムに注目した。研究グループは、健康な男女16名を対象に、腕時計型の活動量計、深部体温リズムの測定法として信頼性・正確性が確立されている直腸温プローブ、皮膚表面に貼り付けて深部体温を推定するウェアラブル体温計を用い、睡眠覚醒リズムと深部体温リズムを日常生活下で3-5日測定。その際、両体温計で測定された体温データから深部体温リズムの位相として深部体温リズムの最低値時刻を算出し、二つの測定方法の一致性及び信頼性を統計学的な手法にて検証した。その結果、ウェアラブル体温計から推定された深部体温リズムの最低値時刻は、直腸温プローブを用いて測定された深部体温の最低値時刻と同等の精度をもち、高い再現性と一致度をもつことを明らかにした。
この成果により、睡眠覚醒リズムや概日リズムの乱れが関わる疾患や概日リズム性睡眠障害の診断・治療の際、ウェアラブル体温計を用いて対象者の負担を軽減しながら、簡易に概日リズムの状態を評価し、スムーズな診断・治療が可能となることが期待される。
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