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第20回 台湾交流録 part 6 ホログラフィー講座の拡がり

予想外の展開とこれから


 この講座には交通大学のほか,近隣の大学からも数名の受講者が参加していた。この夏季コースは今後も継続する計画であると学部長から聞いた。それならば,次年度はできれば上級コースも開きたいと申し出,Dr. Lanからはこの年は開講の準備期間が急だったが,今後はできれば近隣の大学にもう少し周知したいとの話があり,前向きな意見交換をして,翌年もまた来るつもりで日本に帰ってきた。ところが,年が明けた2020年早々,世界中がパンデミックに突入してしまい,渡航どころではなくなってしまった。新しいキャンパスでせっかく始まったホログラフィーコースが中断されてしまうのかとがっかりしていた。ところが,6月にはいりDr. Hsiehから新竹キャンパスでホログラフィーの集中講座を開催したと受講生の作品展示の記録写真が送られてきた。少し遅れて7月には,Dr. Lanからもメールが入った。台南キャンパスではやっと前回と同様の方法でなんとかホログラフィー講座を開催したとの報告で,実験の様子の画像が送られてきた。ホログラフィーの講座がとにかく継続されていることが分かり,うれしかった。それにしてもホログラフィー実験はリモート授業だけでは実現不可能だ。このコースが実現したのはひとえに台湾が世界でも無二のパンデミックのコントロールに成功している国であって,国内では普通の生活に近い活動が維持されているゆえ,対面の実験の授業も可能であったに違いない。うらやましいかぎりである。
 台湾滞在はいつも楽しませてもらっている。塀越しの蘭の花(図15)の風情や,完熟パイナップル(図16)などを味わえるのもうれしい。今年(2021年),いやこの先いつまたそのような楽しい経験ができるかはいまだ不明である。次回の訪問が実現する頃は,きっと台南キャンパスの敷地内や周辺には多くの建物が完成し,環境は驚くほど変化しているに違いない。1日も早く自由な行き来ができることを願うばかりである。

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