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第18回 台湾交流録 part 4 次から次へ

思いつき


 またある考えが浮かんだ。この交通大学にはディスプレイホログラムがない。ホログラフィー講座を開く意欲があるのなら,実物を見る機会を広く学生たちに与えてはどうか。師範大学はもはやホログラフィー講座が開かれそうにない。そこで,つい研究所長のKen Hsu教授に,もし学内建築のオープンスペースにホログラムを常設することに興味があるのなら,ホログラムを寄贈してもよいと口を滑らしてしまった。ただし,こちらのできることはフィルムの提供のみであると。返事はにっこりとほほえんで即,「ぜひ」ということになってしまった。
 そのようなわけで交通大学での新しい宿題を自ら作り出してしまった。この連絡係はまたDr. Hsiehに引き受けてもらうことになるのである。

再オープニング


 “Grassland”の再設営の工事は,交通大学の講座の時期に合わせて行うことにした。そのため,6月に東京を出発する前には,ガラスホログラムの送り出しを完了しなければならない。台湾への出荷前には,ラミネート加工工場で確認作業を行った(図8)。海外輸出用の木箱に梱包し,空輸で台北に輸送した。ガラスはホログラムより一回り大きく,フィルムは完全に外気から遮断された状態である(図9)。そして,無事に再設置を完了(図10)した。4年がかりの仕事であった。再度であるにもかかわらず,オープニングパーティが開催され,新竹からも多くの知人たちが駆けつけてくれた。これからは天候の影響を受けることもなく,安心して良い状態でホログラムを見てもらえることが,何よりうれしくホッとした。師範大学と関わってくれた人々に心から感謝である。そして,また新しいプロジェクトが台湾で待っている。 (part 5に続く)

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