画像センシングの最前線

QoL(Quality of Life)向上のための画像センシング技術慶應義塾大学 青木 義満

1. はじめに

 これまで,画像センシング技術は目覚ましい進歩を遂げ、様々な場面における実用化が着実に進められてきた.工業製品の外観検査など,マシンビジョン分野における検査の自動化から始まり,現在では我々の生活における様々な場面において,画像センシング技術が活用されている.画像を取得するカメラの高性能化,得られた画像から意味のある情報を抽出・提示するパターン認識技術,画像生成技術の進化は,空間的,時間的,コスト的な制約を軽減することに成功しつつあり,画像センシングシステムの活躍の場を広げている.これからは,現存している社会課題を解決し,さらに新産業を生みだすような革新的な画像センシング技術の進化と新展開が求められている.
 特に,価値観が多様化し,超高齢化を迎えている現代社会においては,単に量的な豊かさを求めるだけでなく,生活の質的な豊かさ(Quality of Life)を向上させることが求められている.画像センシング技術も他の工学技術同様,単に処理性能を追い求めるものではなく,我々の生活に深く浸透しながら,QoL向上へと貢献することが期待されている.
 ここでは,QoL向上のための画像センシング技術,パターン計測技術について,官能評価,医療・福祉,食といった領域で研究開発が進められている事例を取りあげる. <次ページへ続く>

慶應義塾大学 青木 義満

群馬県高崎市生まれ。
1996年早稲田大学理工学部応用物理学科卒業、2001年、早稲田大学大学院博士課程 理工学研究科物理学及応用物理学専攻修了。博士(工学)。
早稲大学理工学部助手、芝浦工業大学工学部情報工学科助教授を経て、2008年より慶應義塾大学理工学部電子工学科准教授。
2013年より、株式会社イデアクエストの取締役を兼任し、慶應理工発画像センシング技術の医療分野での実用化を目指している。専門分野は知覚情報処理・知能ロボティクス、メディア情報学・データベース、計測工学、医用システムなど。

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