セミナーレポート

誰にでもわかる「画像超解像」東京工業大学 奥富 正敏

本記事は、画像センシング展2010にて開催された特別招待講演を記事化したものになります。

おわりに

 最後に,実用化に向けてということで申し上げると,超解像は言葉だけがちょっと一人歩きしているようなところがありますが,いつでも解像度が上がる「魔法の技術」ではありませんので,過度の期待は禁物です。とはいっても,明らかに効果が出ることもありますので,目的や使用法,ハードウエアのコストなどを考慮して,技術をうまく活かすためのトータル的なシステム設計をしていくことが実用化には重要だと考えています。
図7 データベースを使わないフレーム内超解像1)

図7 データベースを使わないフレーム内超解像1)

 それに加え,実際には撮像系や符号化といった部分も切り離せない問題です。例えば,超解像の効果を最大限に発揮するための撮像系の設計というのも考えられますので,このようなことも含めて全体として効果を出していくようなアプローチも重要です。

参考文献

1) D. Glasner, S. Bagon, M. Irani: “Super-Resolution from a Single Image,” 2009 IEEE 12th International Conference on Computer Vision (ICCV), p. 353(2009)

東京工業大学 奥富 正敏

1981年,東京大学工学部計数工学科卒業。1983年,東京工業大学大学院理工学研究科制御工学専攻修士課程修了。1983年,キヤノン(株)入社,中央研究所勤務。1987年~1990年,米国カーネギーメロン大学コンピュータサイエンス学科 客員研究員。1993年,東京工業大学より博士号(論文博士)を受ける。1994年,東京工業大学大学院情報理工学研究科情報環境学専攻 助教授。 2002年,同大大学院理工学研究科機械制御システム専攻 教授,そして現在に至る。

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