研究は面白いから続けられる。(前編)Marine Biological Laboratory 井上 信也
アメリカへ
聞き手:先生はその後アメリカのプリンストン大学へ行かれたということですが,それはどのような経緯からですか?井上:それは,團さんの奥さんで同じく生物学者のジーンさんが,里帰りでアメリカへ帰られたときの話になります。そのときジーンさんは,團さんへのお土産にアメリカで最初に製作されたばかりの位相差顕微鏡を日本に持って帰られたのですが,そのアメリカ滞在中にMBLに行かれたのです。そこのバーで非常にハンサムな背の高い先生に出会ったと,ジーンさんは言っておられましたが,それがプリンストン大学の先生だったのです。それで,「日本にこんな変わった若者がいるのだけれども,プリンストン大学に留学できるようにしてくれないか」と話してくれたのです。そのバーでの会話がプリンストン大学に行くきっかけとなりました(笑)。
聞き手:お話をお聞きし,運命というのは非常に不思議なものだという感じがします。数々の貴重なお話ありがとうございました。次回は,アメリカへ行かれてからの研究生活についてお聞きしたいと思います。 (前編 おわり)