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カラー画像と近赤外線画像を同時撮影可能なイメージングシステム東京工業大学*,オリンパス 技術開発部門** 紋野 雄介*,田中 正行*,奥富 正敏*,吉崎 和徳**,福西 宗憲**,小宮 康宏**

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 近年,現在広く普及するカラー画像だけでなく,近赤外線画像を利用したコンピュータービジョン・画像処理技術応用の発展が著しく,これら2種類の画像を同時に取得したいという要望が高まっている。しかしながら,現在のカメラは,カラー画像のみを撮影するものが一般的であり,近赤外線画像を得るには,別に専用のカメラを用意するなど大掛かりなシステムが必要となる。
 一方で,われわれの研究グループでは,カラー画像と近赤外線画像を1台のカメラで同時撮影可能なイメージングシステムのプロトタイプを開発した。図1に,その概要を示す。プロトタイプシステムでは,可視光(カラー情報)と近赤外光を同時に撮像可能な撮像素子および撮像データをリアルタイム処理する画像処理システムを開発することで,1台のカメラによるカラー画像と近赤外線画像のリアルタイム同時撮影を実現した。
 新規開発した撮像素子上には,カラーフィルターアレイと呼ばれる,R(赤),G(緑),B(青),N(近赤外線,NIR(near-infrared)の略)のフィルターをアレイ状に配置したものが装着されている。したがって,カラーフィルターアレイを通して得られる撮像データは,モザイク状のデータとなる。出力として得られるカラー画像と近赤外線画像は,モザイク状のデータに対し,デモザイキング処理と呼ばれる補間処理や,色補正処理等の画像処理を行うことにより生成する。この方式は,従来のカラーデジタルカメラやスマートフォンのカメラと原理的に同じサイズやコストで実現可能なため,実用化へ向けた期待が大きい。開発システムは,次世代の画像センシング技術として,リモートセンシング,セキュリティー,ロボティクス,農業,医療などの幅広い分野への応用が期待される。

謝辞
本研究開発の一部は,総務省戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)(受付番号141203024)の委託を受けたものである。

参考文献
1)寺中駿人,紋野雄介,田中正行,奥富正敏,吉崎和徳,福西宗憲,小宮康宏,「高性能RGB-NIRイメージングに向けたCFAとデモザイキング処理の提案」,第22回画像センシングシンポジウム(SSII),2016.
2)プロジェクトページ: http://www.ok.ctrl.titech.ac.jp/res/MSI/RGB-NIR.html

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