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宝石のように輝くガラス(株)住田光学ガラス 山本吉記

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 ブリリアンカットを施し,その切り込みからさまざまな方向に光が散乱している様子を写した「一枚の写真」。光が散乱して宝石のようにきらきらと輝く装飾品の正体は,超高屈折率のガラスである。しかも,鉛を含む屈折率の高いガラスとして有名なクリスタルガラスではなく,鉛などの環境有害物質を一切使用していない新開発の光学ガラスである。
 この超高屈折率光学ガラス「K?PSFn214」は,屈折率(nd)が2.14352と非常に高く,かつプレス成形による非球面レンズの作製も可能だ。近年,デジタル光学機器の普及,発展に伴い,光学レンズには高性能化及び小型化が強く要求されている。これらの要求を解決するには,精密プレス成形による非球面レンズを使用した光学設計が不可欠な要素となっている。そして,この非球面レンズに使用される光学ガラスには,できるだけ高屈折率であることが求められてきた。実際に,弊社が開発した屈折率(nd)が2.0 を超える超高屈折率光学ガラスが,世界で初めて非球面レンズとしてPanasonic のLUMIX FX01 に搭載され,コンパクトかつ広角28mm が実現されたことは記憶に新しい。
 このように屈折率の高いプレス成形用光学ガラスは,高性能かつコンパクトな光学系の設計に有効であるが,そもそも屈折率の高い光学ガラスを作るのは難しい。屈折率(nd)が2.1 を超えるようにもなると,ガラス成分中に重い元素を多く含ませなくてはならず,結晶化し易くなる。そして,ガラスになったとしても着色が強く,可視光領域での透過率が低くなってしまう。それ以外にも,プレス成形時に揮発物が出て金型に付着し,正確なレンズ形状の転写ができないといった問題点もあった。これらの問題点をガラスの組 成や溶融方法を改良することによって解決し,開発化するに至った。また,工業化という点でも,実験室で少量のガラスを作るのとは違い,安定した生産量を得るために真冬の深夜まで試行錯誤を重ねたことなどは忘れられない出来事である。この「K?PSFn214」の開発工業化へ向けて一丸となって取り組んでくださった関係者の皆様に,感謝の言葉を申し述べたい。
 今後,K?PSFn214 を使用した非球面レンズを始めとする光学素子が,デジタルカメラやカメラ付き携帯電話だけでなく,光通信関連機器や医療機器,さらに監視カメラなどのセキュリティー関連機器等にも広く活用されることを期待している。

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